ポットマム(菊)の育て方|摘心・切り戻し・冬越しのコツ
丸くまとまった株に色とりどりの花を咲かせるポットマム。鉢いっぱいに咲く姿を楽しんだ後も、季節に合ったお手入れを続けることで翌年の開花を目指せます。
ただし、花後にどこまで切るのか、冬はどのように管理するのかなど、栽培中に判断に迷うことも多いのではないでしょうか。基本的なお手入れ方法や、時期に合わせた管理のコツを押さえておきましょう。
この記事では、ポットマムの特長や代表的な品種、栽培時に知っておきたい育て方のポイントなどをご紹介します。
- 目次
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- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- ポットマム(菊)の育て方|特長と開花のしくみ
- ポットマムとは?
- 短日条件でつくられる花芽が特長
- ポットマム(菊)の育て方|代表的な品種
- アブロン
- ヒーリング
- ランスパルフェ
- ベルンパルフェ
- マウントオビスク
- ポットマム(菊)の育て方|置き場所と植えつけ方
- 日中は日が当たり夜間は暗い場所
- 水はけのよい土を使う鉢植え
- 根鉢より広い穴へ植える庭植え
- 植えつけ時の元肥
- ポットマム(菊)の育て方|水やりと肥料
- 鉢植えと庭植えで異なる水やり
- 芽出しから開花前までの追肥
- ポットマム(菊)の育て方|生育段階ごとの手入れ
- 株姿を整える生育期の摘心
- 伸びすぎた枝の切り戻し
- 咲き終わった花の花がら摘み
- 花後の切り戻しから冬越しまで
- 春の植えかえから夏越しまで
- ポットマム(菊)の育て方|病害虫の兆候と初期対応
- 気をつけたい病気
- 気をつけたい害虫
- ポットマム(菊)の育て方|よくある質問
- スプレーマムとは何が違いますか?
- 切り花としても楽しめますか?
- 寄せ植えにも使えますか?
- 食用菊として食べられますか?
- 花言葉は何ですか?
- おわりに
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
☘133:ポットマムの育て方|切り戻しや摘心などは必要?水やりや肥料など日々の管理もご紹介
ポットマム(菊)の育て方|特長と開花のしくみ
ポットマムは、丸くまとまった株に色とりどりの花を咲かせるキクです。翌年も花を楽しむためには、まずポットマムの特長や、花芽がつく仕組みを知っておくことが大切です。
ここでは、ポットマムの特長や、秋に花芽がつく仕組みをご紹介します。
ポットマムとは?
ポットマムはひとつの品種名ではなく、鉢植え向きのキクの総称です。花色や花形、草丈、耐寒性などは品種によって異なります。
項目 | 基礎情報・栽培の目安 |
|---|---|
| 科・属 | キク科キク属 |
| 分類 | 多年草 |
| 主な開花期 | 秋
品種や生産時の開花調整により異なる |
| 花色 | 白、黄、ピンク、赤、紫、緑など |
| 置き場所 | 日当たりと風通しがよく、夜間に照明が当たらない場所 |
| 用土 | 水はけと水もちのよい土 |
| 植えかえ | 春の芽出し頃が目安 |
販売されるポットマムには、草丈を抑えるための処理が行われているものがあります。
翌年以降は、購入時と同じ草丈や株姿になるとは限りません。小さく仕立て直そうとして、必要以上に強く切り込まないようにしましょう。
短日条件でつくられる花芽が特長
秋咲きのポットマムは、日が短くなり、夜の暗い時間が長くなると花芽をつくり始める「短日植物」です。夜間に照明が当たると、花芽の形成や開花のタイミングが遅れることがあります。
置き場所を選ぶときは、日中の日当たりに加えて、夜に暗くなる環境かどうかも意識しておきましょう。
ポットマム(菊)の育て方|代表的な品種
ポットマムは、品種によって花色や花形がさまざまです。丸みのあるポンポン咲きから、中心部が盛り上がるアネモネ咲きまで、個性豊かな花を楽しめます。
ここでは、特長の異なる5つの品種を紹介します。
アブロン
深みのある赤色が目を引くアブロン。花びらが重なり合って丸く咲くポンポン咲きの品種で、ボリューム感のある花姿が特長です。
ヒーリング
ヒーリングは、グリーン系のポンポン咲きとして流通している品種です。ころんとした丸い花形と淡い色合いがよく合い、やわらかな印象を与えます。
ランスパルフェ
ランスパルフェは、黄色系の花を咲かせるアネモネ咲きの品種です。アネモネ咲きは、中心の小さな筒状の花が集まって盛り上がり、その周囲を花びらが囲む花形です。
ベルンパルフェ
アネモネ咲きのポットマムです。花はピンク色の小輪で、ランスパルフェとはまた違った繊細な花姿を楽しめます。
マウントオビスク
マウントオビスクは、花びらが幾重にも重なる八重咲きが特長です。ピンクやアプリコット、バーガンディなどの花色があり、株いっぱいに咲く華やかな姿を味わえます。
ポットマム(菊)の育て方|置き場所と植えつけ方
ポットマムは、日当たりと風通しのよい場所で育てることが大切です。
植えつけの際は、鉢植えと庭植えで土や植え方が異なるため、それぞれのポイントを押さえておきましょう。
日中は日が当たり夜間は暗い場所
ポットマムは、日当たりと風通しのよい屋外で育てます。夜は照明が長く当たらない場所を選び、花が咲いている間に長雨が続くときは、雨の当たりにくい場所へ移しておきましょう。
水はけのよい土を使う鉢植え
鉢植えには、水はけと水もちのよい草花用培養土『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』が使えます。鉢は根鉢よりひと回り大きいものを選びましょう。
鉢底に土を入れて株を置き、隙間を埋めるように土を足します。このとき、鉢の縁まで土で埋めず、水やりの水が一時的にたまる「ウォータースペース」を残しておきましょう。
植えつけ後は、鉢底から水が流れるまでたっぷり与えてください。開花中の株を鉢増しするときは、根鉢を大きく崩さずに植えます。
根鉢より広い穴へ植える庭植え
庭に植えるなら、日当たりと水はけのよい場所を選びましょう。根鉢が無理なく収まる植え穴を掘り、必要に応じて腐葉土などを土に混ぜます。
根鉢の上面が周囲の地面とほぼ同じ高さになるように株を置き、土を戻したらたっぷりと水を与えましょう。複数の株を植えるときは、大きく育った後も枝葉が混み合わないよう、株の間を空けて植えます。
植えつけ時の元肥
植えつけ時には、必要に応じて元肥を施しましょう。元肥入りの培養土を使用する場合は、追加で肥料を与える必要はありません。
元肥が入っていない土を使う場合は、緩効性肥料『マグァンプK 中粒』などを、商品の表示に従って土に混ぜ込みます。肥料が根に直接触れないように注意しましょう。
ポットマム(菊)の育て方|水やりと肥料
ポットマムを元気に育てるには、季節や株の生育状態に合わせて水やりや肥料を調整することが大切です。土の乾き具合や新芽の伸び方を確認しながら管理しましょう。
鉢植えと庭植えで異なる水やり
鉢植えは庭植えより土が乾きやすいため、土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと水を与えます。鉢底から水が流れ出るくらいが目安です。花をぬらさないよう、株元へ静かに注ぎましょう。
庭植えでは、植えつけ後に根づくまでは乾燥しないように管理します。その後は、雨で土が湿っていれば、基本的に水やりしなくても問題ありません。雨が少なく、土の乾燥が続くときに株元へたっぷり与えましょう。
芽出しから開花前までの追肥
春になって新芽が伸び始めたら、追肥を始めましょう。緩効性肥料『プロミック 草花・鉢花用』を置き肥するか、液体肥料『ハイポネックス原液』を水やりの際に与えます。
元肥入りの培養土を使った場合は、培養土や肥料の表示を確認し、肥料分が不足する時期から追肥を始めましょう。その後は3月〜10月ごろを中心に、生育に合わせて肥料を与えます。
開花中に多くの肥料を必要としない品種もあるため、株の状態や肥料の使用方法を確認して、必要に応じて与えましょう。
冬は生育が緩やかになるため、基本的に追肥を控えます。
ポットマム(菊)の育て方|生育段階ごとの手入れ
春に芽が伸び、秋には花を咲かせるポットマムは、季節ごとにお手入れの内容も少しずつ変わります。
株が育つ時期は枝数や形を整え、花が終わったあとは冬越しの準備を進めましょう。
株姿を整える生育期の摘心
摘心とは、若い茎の先端を摘み取ってわき芽の生長を促すことです。枝数が増えることで、株がこんもりとまとまりやすくなります。秋咲きの株では、春から初夏に新芽が伸びてきた頃が作業の目安です。
ただし、摘心をしなくてもよく枝分かれする品種もあります。また、遅い時期まで摘心を続けると開花に影響することもあります。
秋咲きの株では春から初夏を目安に、品種ごとの管理案内を確認し、適切な時期に作業を終えましょう。
伸びすぎた枝の切り戻し
枝が長く伸びて株の形が乱れてきたときは、切り戻しで草丈を整えます。春から初夏であれば、葉や芽を残しながら節の上で茎を切りましょう。
咲き終わった花の花がら摘み
花が茶色く傷んできたら、その花につながる花茎を切り、下のつぼみや咲いている花を残して取り除きましょう。残った花は引き続き楽しむことができます。
落ちた花びらや枯れ葉は、そのままにせず片づけておくことで灰色かび病の予防にもつながります。
花後の切り戻しから冬越しまで
花がすべて終わったら、冬越しに向けて地上部の茎を切り戻します。切る位置は品種や株の状態によって異なりますが、株元から新しい芽が出ている場合は、芽を傷つけないように注意しましょう。
花後の切り戻しを終えた鉢は、日当たりがよく、霜や寒風を避けられる場所で冬越しさせます。耐寒性は品種によって異なるため、寒冷地では、鉢土が長く凍ったままにならない場所を選びましょう。
冬は株の生育がゆるやかになるため、肥料は控え、水やりの回数も減らします。土の表面が乾いたら水を与え、過湿にならないように管理しましょう。
春の植えかえから夏越しまで
春になって新芽が伸び始めたら、植えかえを検討しましょう。根が鉢いっぱいに回っていたら、根を傷めないように扱い、必要に応じて一回り大きな鉢に植えかえます。
根をほぐす程度や鉢の大きさは、品種や根の状態に合わせましょう。植えかえ後はたっぷりと水を与えてください。
夏は鉢土が乾きやすく、枝葉も蒸れやすい時期です。鉢植えは土の乾き具合をこまめに確かめながら、水切れしないように管理しましょう。強い西日で葉が傷むようなら、午後は明るい日陰になる場所へ移します。
また、鉢同士の間隔を空け、株元にたまった枯れ葉を片づけて風通しをよくしておきましょう。夏の終わりから花が咲き終わるまでは強く切り戻さず、枯れた葉や傷んだ部分だけをお手入れする程度にとどめます。
ポットマム(菊)の育て方|病害虫の兆候と初期対応
葉の色が変わったり、花に斑点が現れたりしたときは、病気や害虫が原因になっている可能性があります。葉の表裏や新芽、花の状態を確かめながら、病気や虫が見られたら早めに対処しましょう。
薬剤を使う場合は、キクと対象の病害虫に使えるものを選び、ラベルに記載された使用方法を守ってください。
気をつけたい病気
うどんこ病
うどんこ病になると、葉に白い粉をまぶしたような斑点が現れます。症状のある葉は取り除き、枝葉が混み合っていたら風通しをよくしておきましょう。
さび病
キクがかかるさび病には複数の種類があります。白さび病にかかると、葉の表に色の抜けたような斑点が現れ、葉裏には白色から淡褐色の小さな盛り上がりができます。
症状のある葉が少ないうちは、早めに摘み取って処分しましょう。
灰色かび病
灰色かび病は、花や葉などが褐色に傷み、症状が進むとかびが生じる病気です。傷んだ花や葉、鉢土に落ちた花びらなどを片付けて、株の周りに湿気がこもらないようにしましょう。
気をつけたい害虫
アブラムシ
アブラムシは、新芽やつぼみ、葉裏などに集まって植物の汁を吸います。見つけたら早めに取り除き、被害が続く場合や数が多い場合は、キクとアブラムシに適用のある薬剤での対処も検討しましょう。
ハダニ
ハダニは葉裏に寄生し、吸汁された葉には細かな白っぽい斑点が現れます。被害が進むと葉全体が色あせることもあります。高温で乾燥した環境で増えやすいため、発生初期は葉裏を水で洗い流すとよいでしょう。
ポットマム(菊)の育て方|よくある質問
ポットマムを育てていると、「切り花にできる?」「食べられる?」など、育て方以外の疑問が出てくることもあるでしょう。
スプレーマムとの違いや切り花、寄せ植えに関することなど、よくある疑問にお答えします。
スプレーマムとは何が違いますか?
ポットマムは鉢植え向けのキク、スプレーマムは1本の茎から枝分かれし、複数の花を咲かせるキクを指します。
分け方の基準が異なるため、ポットマムのなかにもスプレーマムのように枝分かれして複数の花をつけるものがあります。
切り花としても楽しめますか?
ポットマムは、咲いた花を切って室内に飾ることもできます。水につかる部分の葉を取り除き、茎を切り直して花瓶に挿せば、小さなアレンジとしても楽しめます。
寄せ植えにも使えますか?
日当たりや水やりなどの条件が近い植物と組み合わせれば、寄せ植えにも使えます。植えるときはポットマムが育つスペースを残し、枝葉が混み合わないようにするのがポイントです。
食用菊として食べられますか?
観賞用として購入したポットマムは、食べずに楽しみましょう。料理に使いたい場合は、食用として栽培・販売されている菊を選んでください。
花言葉は何ですか?
キクには「高貴」「高潔」「高尚」などの花言葉が知られています。花言葉は色や種類によって異なる場合もあるため、贈り物にする際は、花の色や相手に伝えたい気持ちに合わせて選ぶのも素敵です。
おわりに
鉢いっぱいに咲いた花が終わっても、ポットマムの栽培はそこで終わりではありません。花後は古い茎を切り戻し、霜や寒風を避けて冬越しさせましょう。
春になって新芽が伸び始めたら、植えかえを行い、必要に応じて追肥を再開します。日当たりのよい場所で土の乾き具合に合わせて水を与え、摘心が必要な品種では春から初夏に芽先を摘んで枝数を増やします。
株の変化を楽しみながら育て、次の秋に咲く花へつなげていきましょう。
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