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トックリラン(徳利蘭)の育て方|室内の置き場所や増やし方も

トックリラン(徳利蘭)の育て方|室内の置き場所や増やし方も

トックリランは、徳利のようにふくらんだ幹の根元と、しなやかに伸びる細長い葉を持つ、ユニークな姿が魅力の観葉植物です。

幹の根元には水分を蓄える性質があるため乾燥に強く、初心者でも育てやすい植物として親しまれています。

この記事では、トックリランを元気に育てるための基本的な管理方法をはじめ、剪定や増やし方、大きく育てるためのポイントまで、詳しく解説します。

トックリランの基本情報

トックリラン(徳利蘭)は、リュウゼツラン科トックリラン属の観葉植物です。

名前の由来でもある「徳利(とっくり)」のように膨らんだ株元が特長で、この部分に水を蓄える性質があるため、乾燥にとても強いのが魅力です。

幹の上部からは、細くて長い葉がしなやかに垂れ下がり、優雅な雰囲気を演出してくれます。そのユニークな姿から「ポニーテール」という別名で呼ばれることもあります。

原産地はメキシコの東南部にあたり、現地では高さ10mに達するほど大きく育つこともありますが、生長スピードは非常にゆっくりです。

鉢植えにして室内で楽しむのはもちろん、暖かい地域では地植えにして育てることも可能です。インテリアのアクセントとしても人気があり、シンボルツリーとして飾るのにもおすすめです。

乾燥に強く、水やりの頻度も少なくて済むため、植物を育てるのが初めての方や、忙しくてこまめな管理が難しい方でも育てやすい観葉植物です。

トックリランの育て方

トックリランは、乾燥に強く、管理に手がかからないため、初心者の方も育てやすい観葉植物です。

健康に長く育てていくためには、基本的な環境づくりや育て方を押さえておくことが大切です。

トックリランが好む栽培環境

室内で育てる場合

トックリランは耐陰性があるため、室内でも育てやすい植物です。ただし、本来は熱帯の乾燥地帯に自生する植物のため、よく日に当てて育てることが理想的です。

日照不足になると、幹が曲がることや葉の美しいカールが失われることがあるため注意しましょう。

定期的に鉢の向きを変えて全体に均等に光が当たるようにすると、まっすぐで美しい樹形に育ちます。

寒さに弱く、気温が10℃を下回ると生育が難しくなるため、冬の間は必ず室内で管理しましょう。

屋外で育てる場合

春から秋の暖かい季節は、鉢植えを屋外に出して日光浴させるのも効果的です。

屋外に出して日光にしっかり当ててあげるとしっかりとした株に育ちます。霜の心配がない温暖な地域であれば、大株に育ったトックリランは地植えすることも可能です。

ただし、寒冷地や冬に気温が下がる地域では地植えは避け、鉢植えで育てて冬は屋内に取り込むようにしましょう。

適切な温度・湿度

トックリランは温暖な気候を好み、寒さに弱い植物です。気温は常に10℃以上を保つように管理するのが基本です。

屋外で育てている場合も、気温が10℃を下回る前に室内へ取り込みましょう。

室内では日当たりのよい窓際がおすすめですが、冬の夜間や早朝は窓辺が冷え込みやすいため、窓から少し離して置くと安心です。

最適な用土

トックリランは、水はけのよい土を好みます。市販の観葉植物用や多肉植物用の培養土を使うと手軽です。

自分で配合する場合は、赤玉土(小粒)7:軽石(小粒)3の割合で混ぜた用土がおすすめです。

排水性と保水性のバランスを整えることで根腐れを防ぎつつ、健康に育てることができます。

水やりの方法

トックリランは、根元の膨らんだ部分(基部)に水を蓄える性質があるため、水やりは控えめが基本です。

特に、鉢植えの場合は、土がしっかり乾いてから水を与えるようにしましょう。地植えの場合は、基本的に水やりの必要はありません。

春〜秋(生育期)

春から夏の生育期には、鉢土の表面が乾いてきたタイミングで、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。

ただし、受け皿に溜まった水は根腐れの原因になるため、こまめに捨ててください。

秋〜冬(休眠期)

秋から冬にかけては生育が緩やかになるため、水やりの頻度も減らします。

土の表面が乾いてからさらに1週間後を目安に、鉢底から水が流れる程度に水を与えましょう。この時期も、受け皿の水はこまめに処理してください。

また、空気が乾燥しやすい秋冬には、葉水(葉に霧吹きで水をかける)を取り入れるのがおすすめです。

葉水は葉をみずみずしく保つだけでなく、害虫予防にも効果があります。

肥料の与え方

トックリランは肥料がなくても育ちますが、葉色を良くし、生育を安定させたい場合は、適切に施肥すると効果的です。

肥料を与える時期

施肥は春から秋(4月〜6月・9月〜10月)の生育期に行い、冬の休眠期(11月〜3月)は避けましょう。

根の活動が鈍くなり、肥料を与えすぎると根を傷める原因になります。

肥料の種類と与え方

植えつけや植えかえの際に、元肥として緩効性肥料『マグァンプK中粒』を土に混ぜ込むだけで十分です。

植えつけ・植えかえの際に施肥していない場合は、2週間に1回程度のペースで、薄めた液体肥料『ハイポネックス原液』を与えると、より健やかな生育が期待できます。

剪定・切り戻し

剪定は、樹形を整えるだけでなく、風通しをよくして病害虫を予防するためにも重要な作業です。

不要な枝葉を取り除くことで、株全体に養分が行き渡りやすくなり、健康的な生長を促す効果もあります。

剪定の時期と注意点

剪定は5月〜8月の暖かい時期に行いましょう。気温が低い時期や真夏の猛暑日は、剪定した切り口が傷んだり回復が遅れたりするため避けてください。

枯れた葉や小さな枝などの軽い剪定であれば、年間を通して行っても構いません。

わき芽の剪定

葉が茂りすぎてきたら、不要なわき芽や葉を根元から取り除きましょう。

特に、幹の下部から出てくるわき芽は、幹に栄養が届きにくくなるため、早めにカットするのがおすすめです。

芽を3つ程度に絞ると、見た目もすっきりとして樹形が整います。

幹の切り戻し

トックリランが高く育ちすぎた場合は、好みの高さで幹を切ってサイズを調整することも可能です。

剪定後は葉がなくなりますが、2ヵ月〜3ヵ月ほどで新芽が出てくるので心配いりません。

夏越し

鉢植えで育てている場合、暖かい季節は屋外に出して日光に当てると、株がしっかり育ちます。

ただし、室内で育てていた株を急に強い直射日光に当てると、葉焼けを起こすおそれがあるため注意が必要です。

最初は半日陰や明るい日陰で様子を見ながら、徐々に日差しに慣らしていくと安心です。

また、夏場は気温が非常に高くなることがあるため、風通しの良い場所に置き、鉢の温度上昇や蒸れを防ぐことも大切です。

冬越し

トックリランは寒さに弱いため、冬は室内の明るく暖かい場所で管理しましょう。

ただし、暖房器具の風が直接当たる場所は避けてください。

冬の水やりは控えめにし、土が完全に乾いてから与えます。

トックリランの増やし方

トックリランは、「挿し木」と「株分け」の2つの方法で、比較的簡単に株を増やせます。

枝分かれした幹や、根元から出てくる子株を上手に活用すれば、新しいトックリランを育てられます。それぞれの方法と手順を紹介します。

挿し木

トックリランは、幹が枝分かれしている場合に「挿し木」で増やせます。

適した時期は5月〜9月の暖かい季節です。この時期は剪定の適期でもあるため、剪定と併せて行うのがおすすめです。

挿し木の手順

  1. 枝分かれした幹を10㎝~15㎝程度を目安に切り取り、挿し穂として使用します。
  2. 切り取った挿し穂の下部を、「V字型」になるようにカットします。
  3. 切り口を1時間~2時間浸して湿らせておきます。
  4. 水に浸している間に、新しい鉢を用意しましょう。鉢底に鉢底ネットと鉢底石を敷き、水はけのよい土を7割〜8割ほど入れます。
  5. 水から取り出した挿し穂の切り口に、発根促進剤を塗ります。
  6. 用意した鉢の中央に指で穴をあけ、挿し穂を差し込んで植えつけます。

発根までは切り口が乾かないように、水をこまめに与えましょう。

株分け

トックリランは、根元から子株が出てきた場合に株分けで増やすことも可能です。

株分けの手順

  1. 親株の根元から出てきた子株を、ハサミやカッターで切り取ります。
  2. 切断面が乾くまで、風通しのよい日陰で2日~3日乾燥させましょう。
  3. 親株とは別の鉢を用意し、赤玉土などの清潔で水はけのよい土に植えつけます。

トックリランの植えかえ方法

トックリランは、2年に1回程度を目安に植えかえが必要です。

鉢土が見えないほど根元が太く生長したり鉢が割れそうになったりしたら、1〜2回り大きな鉢に植えかえましょう。

植えかえが必要なサイン

  • 鉢底から根が出ている
  • 葉の先が茶色く枯れてきている(根詰まりの可能性)
  • 水はけが悪くなった
  • 葉が頻繁に落ちる

植えかえに適した時期は、5月中旬〜9月上旬頃の暖かい季節です。秋や冬の植えかえは、植物にストレスを与えるため避けましょう。

また、植えかえ前の1週間ほどは水やりを控えるのがポイントです。水を与えた直後は根や茎が柔らかくなり、傷みやすくなります。

植えかえの手順

  1. 新しい鉢に鉢底ネットを敷き、その上に鉢の高さの1/5〜1/4程度の鉢底石を敷き詰めます
  2. 水はけの良い新しい土を、鉢の1/3〜半分ほどまで入れておきます。
  3. トックリランを古い鉢から丁寧に取り出し、根を軽くほぐして古い土を1/3〜1/2ほど取り除きます。黒く変色した根や枯れた部分は、ピンセットやハサミで切り取りましょう。
  4. 株を鉢の中央に配置し、必要に応じて土を足します。根のすき間にも土が行き渡るように、細い棒で軽く突いてあげるとよいでしょう。鉢の縁より1〜2cm下を目安に入れると、水やり時に土があふれるのを防ぎます。
  5. 植えつけ後は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えて完了です。

トックリランのトラブル

トックリランは比較的育てやすい観葉植物ですが、育てる環境や管理の仕方によっては、トラブルが起こることもあります。

ここでは、それぞれのトラブルの原因や見分け方、対処方法について紹介します。

根腐れ

根腐れの原因は、水のやりすぎによる過湿による酸素不足です。土の中が常に湿っていると根が呼吸できなくなってしまいます。その結果、植物全体が弱まり枯れてしまいます。

さらに、酸素不足により土中の有機物の腐敗が進行し、有害なアンモニアなどが発生することでさらに土壌環境が悪化します。

対処法

腐れを起こしてしまった場合は、早めの対処が回復の鍵となります。

まずは鉢から植物を丁寧に取り出し、腐った根はすべて清潔なハサミで取り除きましょう。

その後、赤玉土や鹿沼土などの水はけのよい用土に新しく植えかえてください。

根元が完全に腐っている場合は、健康な部分を挿し木として再生を試みる方法もあります。

また、葉や枝の先端が傷んでいる場合は、生きている部分まで思い切ってカットすると、新芽の発生を促すことができます。

日頃から乾いてからたっぷり水やりをすることを意識し、過湿にならないよう、管理を心がけると良いでしょう。

根詰まり

トックリランは生育が旺盛な植物のため、長く同じ鉢で育てていると鉢の中に根がいっぱいになってスペースがなくなる「根詰まり」を起こすことがあります。

根詰まりが進むと、水が土に浸透しにくくなったり、鉢底から根がはみ出してきたりします。

また、葉が黄色っぽく変色したり、ひどい場合には鉢自体にヒビが入ってしまうこともあります。

対処法

根詰まりが見られたら、1〜2回り大きな鉢へ植えかえましょう。適期は5月中旬〜9月上旬の暖かい季節です。

古い土を軽く落とし、根の状態を確認してから、新しい用土で植え直すことで、根が再び元気を取り戻し、株全体の生育も安定します。

葉焼け

トックリランは日光を好みますが、強すぎる直射日光に長時間当たると「葉焼け」を起こすことがあります。

葉焼けの症状としては、葉の色素が抜けて白っぽくなったり、葉先や一部が茶色く変色・乾燥したりしてしまうのが特長です。

こうした症状が見られたら、日の当たる環境を見直すサインです。

対処法

葉焼けを防ぐには、レースカーテンや遮光ネットを使って、直射日光を避けてあげるのが効果的です。

すでに傷んでしまった葉は回復しないため、清潔なハサミで切り取り、新しい葉の成長を待ちましょう。

環境を整えることで、株の回復もスムーズに進みます。

トックリランの気をつけるべき害虫

トックリランを育てるうえで注意したい害虫が「ハダニ」です。

ハダニは葉の裏や茎につき、植物から栄養を吸い取る「吸汁害虫」と呼ばれています。

非常に繁殖力が強く、薬剤への耐性も高いため、一度発生すると駆除が難しいのが特長です。

ハダニの被害を受けると、葉に白い斑点が現れたり、葉の色が薄くなって茶色に変色したりします。さらに、クモの巣状の細かい糸が見られることもあります。

ハダニの発生は乾燥した環境で起こりやすいため、日頃から葉水を行うことで予防が可能です。

万が一発生してしまった場合は、殺虫剤などを使って早めに対処しましょう。

トックリランを大きくする方法

トックリランをより大きく育てたい場合は、日頃の育て方に少し工夫を加えることが大切です。

以下のポイントを意識して管理すると、しっかりと植物の生長を促すことができます。

大きめの鉢に植えかえる

現在よりもひと回りからふた回り大きめの鉢に植えかえることで、根が広がりやすくなります。可能であれば、1年~2年に1回大きな鉢に変えていきましょう。
また、温暖な地域では地植えもおすすめです。

十分に日光に当てる

トックリランは、日光を好む植物です。室内で育てている場合でも、できるだけ日当たりのよい窓辺に置いてあげるとよいでしょう。

直射日光が強すぎると、葉焼けを起こすこともあるため、注意が必要です。

水やりは控えめにする

トックリランは乾燥に強く、過湿を嫌う植物です。

特に、大きめの鉢では水を与えすぎると土が乾きにくくなるため、表面の土がしっかりと乾いてから水を与えるようにしましょう。

水を控えめにすることで、根が水を求めて深く伸び、結果的に丈夫で大きな株に育ちます。

適切に肥料を与える

トックリランは肥料がなくても生長しますが、より大きく育てたい場合は肥料が効果的です。

5月~9月の生長期に、緩効性化成肥料『プランティア 花と野菜と果実の肥料』を年に1回〜2回与えるとよいでしょう。

葉の色が薄い時や、生長を促したい場合は『ハイポネックス原液』を1週間~10日に1回使用してください。

ただし、与えすぎると根を傷める原因になるため、規定量を守ることが大切です。

まとめ

トックリランは、乾燥に強く手入れも難しくありません。適した管理方法を押さえておけば、初心者でも丈夫に育てられます。

定期的な剪定や適切な環境づくりを心がけることで、美しい姿を長く楽しめるでしょう。

今回紹介したポイントを参考に、トックリランの生育と鑑賞をぜひお楽しみください。

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