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【果樹栽培】【オリーブの育て方】育て方の基本とコツを紹介します

【果樹栽培】【オリーブの育て方】育て方の基本とコツを紹介します

オリーブの産地は、海外ではイタリア、国内では小豆島が有名です。オリーブの実は、オリーブオイルやオイル漬けなど、料理や食事の際にも盛んに用いられていますが、花としての観賞価値も高く人気があります。また、常緑中高木で銀色がかった葉が美しいことから、観葉植物、家庭の庭木、地植え、鉢植えとして人気のある果樹です。

オリーブの木は美観がしなやかで優しく、生の果実を自分で育て、収穫や加工を楽しむことができます。そして、日差しがさすベランダやテラスに置くだけで、部屋をグッと爽やかな印象にしてくれるでしょう。今回は、そんなオリーブの育て方の基本とコツをご紹介します。

オリーブとは

オリーブ

オリーブは、モクセイ科の緑が綺麗な常緑樹です。野生種は地中海沿岸~アフリカ北岸一帯で生息しており、約6000年前から栽培が行われています。そして、これが現在のオリーブ栽培種の起源となっており、今ではお家でも栽培を楽しむ植物として親しまれています。ここでは、オリーブ栽培の歴史~現在に至るまでの背景を見ていきましょう。

オリーブ栽培の歴史

オリーブは、温暖な気候で育つ生命力の強い植物で、西アジアや地中海沿岸などに生息しています。中でも、オリーブ生産の50%以上を誇るイタリアとスペインは、オリーブ生産国として有名です。約6000年前からオリーブ栽培は始まっています。野生種に他の品種を接ぎ木しながら新たな品種が生まれていく中で、広い地域へオリーブ栽培が根付き、現在に至っています。

日本へオリーブが伝わったのは16世紀頃です。苗木は江戸時代末期に伝わり、横須賀に植えられた歴史があります。明治期になると、本格的なオリーブオイルの生産が行われるようになり、日本では香川県の小豆島が国内オリーブ生産の約90%を占めており、有名なオリーブ産地となっています。

幅広いシーンで活躍するオリーブの木

オリーブは、温暖な気候で生息しており、寒さに弱い一面があると思われがちですが、実は、寒さにも強い性質も持っています。オリーブの木は気温の変化にも耐える丈夫な常緑樹なので、そう言ったところも広い地域で育てやすい要素になっています。

また、上手く実がつかない時には、品種の異なるオリーブを一緒に植えると、果実がつきやすい性質も持っています。

夏には、白色や黄白色の可愛い小さい花を咲かせ、丸くて可愛いグリーンの実をつけて、成熟すると黒いオリーブになります。このように、成長過程を楽しませてくれるオリーブですが、他にも、葉の光沢感や、葉が風になびいた時に銀色に輝くなど、樹形や葉形にも魅力があります。

また、オリーブは食用としても、食卓やレストランなどで使用されています。調味料としてオリーブオイルにしたり、おつまみのピクルスにしたりすることができます。

平和のシンボル

オリーブは、平和のシンボルにもなっている植物です。ハトがオリーブの葉を口にくわえているデザインを見たことはありませんか?平和のシンボルになった背景には、旧約聖書にあるノアの箱舟話の中で、ハトが咥えてきたオリーブの枝を見て洪水が引いたことをノアが知ったことに由来しています。

また、オリーブは草花や樹木を切った後、木が伸びる力も高く、樹齢も長いです。また、1000年を超える老木でも実をつける長寿の木でもあります。オリーブは、オリーブグリーンといわれる綺麗な色はもちろん、他の植物には見られないような葉色、スモーキーで乾いたような枝や幹の色など、色々な魅力のある植物です

オリーブの種類

オリーブ

オリーブは種類が多く、観葉植物としても人気があります。ここでは沢山たくさんあるオリーブの種類の中から、代表的なオリーブをご紹介します。オリーブは基本的に自家結実性が低いことから、購入する際は、下記を参考に、相性の良い品種を植えてみてください。2品種以上植えると、収穫量がぐんと増えます。

マンザニロ:収穫時期10月、含油率(低)

オリーブの種類の中でも、マンザニロはスペイン原産で、スペイン語の「小さなりんご」からマンザニロといわれており、実がりんごに近い形の早生品種です。世界中で栽培されているオリーブの品種であり、横広がりの樹形でありながら、枝が密になってコンパクトにまとまっています。

小さい丸みのある葉をつけ、葉のオイル含量は9〜14%と低めです。果実は約3gと大きく、炭疽病に弱い種類ですが、結実しやすく小型な木で栽培がしやすい品種です。食用として、ピクルスに加工されます。

ネバディロブランコ:収穫時期10月中旬〜11月上旬、含油率(中

オリーブの種類の中でも、ネバディロブランコはスペイン原産で、数あるオリーブの中で最もポピュラーで代表的な品種です。オリーブオイル用の品種であり、果肉の柔らかい実が成り、約2〜2.5gの小ぶりな果実になるので加工には不向きですが、オリーブオイル用として栽培されている品種になります。樹形は、半直立型〜開帳型になっており、他の種類と比べると葉裏が緑色をしています。また、耐寒性があって枝葉数が多いので生垣や街路樹にも最適で、花粉も多いので花の咲く期間も長く受粉樹としても利用されます。

ネバディロブランコと相性のよい品種は、ミッション、マンザニロになります。

シプレッシーノ:収穫時期10月中旬〜11月上旬、含油率(中)

シプレッシーノは、イタリアのシチリア島の品種です。木の高さは低いですが、葉が大きくスッと真っ直ぐな樹形をしています。また、果実は丸く約2〜3.5gと軽量で、他の品種と近い場所で栽培すると、果実が付きやすいです。受粉樹としても人気があります。ピクルスやオリーブオイルなどの食用に最適です。シプレッシーノは、ネバディロブランコと相性が良いです。

ルッカ:収穫時期10月下旬〜11月中旬、含油率(高)

ルッカは、アメリカ原産で、オイル含量が25%と非常に高いオリーブです。剪定せずにいると横広がりになる樹形なので、2年に1度は剪定して整えたい品種なります。成長するにつれて枝が捻れ、オリーブの木らしく形成していきます。

少し丸みを帯びた可愛い葉型で、果実は約2〜2.5gと小ぶりで細長いです。炭疽病に強い種類ですが隔年結果でもあり、果実は小さいですが自家結実しやすく、オイルが豊富な果実からフルーティーなオリーブオイルが採取できます。ルッカは、ネバディロブランコ、ミッション、またはマンザニロと相性が良いので、これらの品種と組み合わせるとよいでしょう。

セビラノ:収穫時期10月下旬〜11月中旬、含油率(低)

セビラノは、スペイン原産の開張性タイプのオリーブです。種が小さく果実が大きいことが特徴で初心者の方にも人気が高い品種となっています。簡単に栽培することができ、種が小さいにも関わらず果実は大きいので、ピクルスや塩漬けなどにすると食べごたえ抜群です。耐寒性があまりないので、外で栽培する際には、日当たりの良い場所で栽培するようにしましょう。自家結実性は少し低いので、あまり結実しない場合には他品種を受粉樹として混植する必要もあります。セビラノはマンザニロと相性が良いので、組み合わせてみてください。

ミッション:収穫時期11月上旬〜11月下旬、含油率(中)

オリーブの種類の中でも、ミッションはアメリカのカリフォルニア州が原産で、スペイン系オリーブ品種になります。樹形は直立性でスラッと上に伸びる姿が美しく、葉は銀葉系で先端が尖った形をしています。果実は約2.5gの長円形で、耐寒性があります。炭疽病に弱いですが、結実性が高く人気の品種です。ミッションには、アメリカ産とオーストリア産があるのですが、同じ種類ではなく違う種類の遺伝子を持つオリーブ品種になります。果実の香りも良く、含油率も高く、ピクルスやオイル用としても栽培されています。

ミッションは、ネバディロブランコ、ルッカと相性がよいです。

オリーブの土づくり

オリーブ

オリーブは、屋外の土植えをはじめ室内の鉢植えでも栽培でき、観葉植物としても人気があります。ここでは、オリーブ栽培初心者の方、土の入れ替えを検討している方へ、オリーブの土作りのポイントをご紹介します。

土の酸度(pH)

オリーブ栽培では、水はけと水もちのよい土壌作りが大切なポイントになります。基本的に多くの植物は、土の酸度はpH6.5程度の弱酸性の土を好みます。オリーブ栽培においては、オリーブは弱酸性の土壌で育てることが大事といわれており、大体pH6.5~7.0が理想的な土壌です。このpHというのは、アルカリ性を表す数値で、土壌pHを調べる際には酸度測定液を活用するのがおすすめです。

土は酸性・中性・アルカリ性に分けられており、酸やアルカリの強さをpHで表すのですが、中性がpH7.0になります。数値が小さいほど酸性、高いほどアルカリ性に傾きます。また、土壌は肥料を組み合わせて正常値にすることもでき、オリーブ栽培を行う前に肥料を活用して土壌pHを調整可能です。

他にも、オリーブの木専用の土を使用する方法もあります。専用土は、あらかじめオリーブが育ちやすいpHに調整されているので手軽で便利です。

自分でブレンドする場合のポイント

ご自身で土をブレンドする場合、まず、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で土をブレンドします。そして、さらに有機石灰などを加えて完成です。土をブレンドする際のコツは、pH7.5の弱アルカリ性になっているかを確認することです。植えつけ部分から約15㎝の深さで、市販の酸度測定液を活用して土のチェックを行いましょう。庭植えの場合は苦土石灰を、鉢植えの場合は市販の植物栽培用土に苦土石灰を混ぜて使用するのがおすすめです。この際、庭植えはpH7.5になるように、鉢植えはpH調整をして土壌を整えてください。

鉢植え・庭植えする際のポイント

鉢植えの場合、オリーブ用の培養土が市販されているので、それを利用してもOKです。もし、オリーブ用の土が入手できなかった場合には、市販の果樹・花木用の培養土を購入し、10号鉢で約30gの苦土石灰を混ぜ込むとよいです。庭植えの場合、植えつけ前までに苦土石灰を撒き、pHを約6.5〜7.0に調整してから植えつける必要があります。pH を上げたい場合ですが、数値を1上げるには有機用土の使用で1㎡あたり約300~400gの苦土石灰を混ぜてください。

オリーブ

植え替えが必要な理由

鉢植え栽培のオリーブは、植え替えが必ず必要です。4年生以下の若い苗を購入した場合、根も日に日に生育していくため、大体2~3年に一度の植え替えは必須になります。ただし、5年生以上の苗の場合は、水はけが悪くなるまで植え替えは不要です。植え替えでは、一回り大きな鉢へ替えてあげることで、鉢の中の根の詰まりを避け、水の流れを良くします。

 

また、小さな鉢の中では、古い物質が土に残留してしまい、養分を上手く吸い上げることができても、生育に必要な酸素の吸収は難しくなります。そうならないためにも、適切なタイミングで植え替えを行いましょう。オリーブの植え替えでは、失敗してしまうと成長を阻む結果になるので、植え替えする時期を考慮することも忘れてはいけません。

植え替えに最適な時期

オリーブの植え替えは、暖かくなり出した頃がベストです。その時期に植え替えを行うのがおすすめですが、真夏や真冬を避ければいつでも行うことは可能です。オリーブの花が咲いている時期は、オリーブに負担がかかるため、通常は3~5月が植え替えの適期です。オリーブの生育期は春~秋なので、その前に、生育環境を整えてあげることで、より元気で丈夫なオリーブを育てていくことができます。また、春の時期は、気温も穏やかで作業しやすいので、植え替え作業としても最適な季節といえます。

健康で元気なオリーブの木に育てていくためにも、植え替えを行うタイミングはとても大切です。オリーブの生育時期を考慮して、ダメージの少ない時期に植え替えを行いましょう。また、地植えの場合であれば、特に植え替えは不要です。

植え替え方法の手順

オリーブの植え替えを行う際は、以下のものを揃えるようにしてください。1.使用中の鉢より一回りも大きい鉢、2.オリーブ栽培用の土、3.シャベル、4.鉢底ネット、5.鉢底石、6.清潔なハサミです。これらを用意した後、植え替え手順に従って作業を行っていきましょう。

 

STEP1.苗木を現在使用中の鉢から抜き、根鉢を軽くほぐす

STEP2.鉢に鉢底ネットを敷いた上に、鉢底石を3㎝程度の厚さまで入れる

STEP3.用土表面が鉢の縁より3㎝程度下がるように用土調節を行う

STEP4.苗木を植えつける

STEP5.植え替えは鉢に水やりをする

STEP6.直射日光の当たらない明るい日陰で管理する

 

植え替えする際のポイントですが、まず、苗木の準備では、オリーブにダメージを与えないよう、慎重に引き抜きましょう。根に付いている土は、手で優しく揉んで落とし、固くなった根鉢は切り落としてください。

次に、用土の準備・調整ですが、市販のオリーブ栽培用の土を使用すると便利です。

元肥として肥料効果が約2年間持続する『マグァンプK大粒』を土に混ぜ込みましょう。

 

オリーブ栽培では、水はけが大事になるので、オリーブ栽培用の水はけの良い土を使用して苗木を植えましょう。この際、オリーブの根の周りにもしっかり用土を入れ込みますが、用土の入れ過ぎには注意し、鉢の縁に水を溜めるスペースを確保してください。

そして、植えつけ工程では、苗木の株元が用土表面と揃うように植えつけましょう。用土の高さを鉢の縁より下げる理由は、水やりを行う際に水が溜まるようにするためで、これをウォータースペースといいます。

最後は、水やりです。その際に根の活着促進のため植物用活力リキダスを1,000倍に希釈して与えると良いでしょう。

植え替えが終わった後は、必要に応じて支柱を立ててオリーブの木を固定し、たっぷり水やりしてください。この際、直射日光の当たらない明るい日陰で様子を見るようにしましょう。直射日光に当てないようにするのがポイントです。

肥料については、庭植えは2月と10月に、鉢植えは2月、6月、10月に、「錠剤肥料シリーズ オリーブ用」を与えてください。オリーブに必要な肥料成分と鉄などの微量要素が特化して配合されており、肥料効果が約2か月間持続します。また、大きな錠剤タイプなので、手を汚さず簡単に施肥することが出来ます。

オリーブの木の水やり

オリーブ

オリーブは水を切らしてしまうと枯れてしまいますが、水のやりすぎも根を傷めて生育に悪影響を与えます。オリーブの根は、水を求めて活発に生育しますが、根に水が常に供給されて吸収しやすい状態は、根の発育が促進されません。逆に、生育に悪影響が出て、一時的な乾燥にも弱くなってしまうので、適切な量の水やりをタイミングや季節に合わせて行うことがベストです。

季節によって水やり方法は違う

夏と冬では、オリーブの木の水やり頻度や管理環境は異なります。夏は毎日水やりが必要ですが、冬は気温が低く土の乾燥が少ないので水やりは控えめにしてください。

基本的にオリーブの木の水やりでは、気温の低い時期以外は、午前中に行うのがポイントです。特に、夏の時期は、日照がピークになる午後の水やりは、水温が上がって根を傷める原因になるので、午前中に水やりを行いましょう。

鉢植えの適切な水やり方法・頻度

鉢植えの水やりのタイミングですが、オリーブ栽培では、1日1回、2日に1回など定期的に水やりを行えばOKという植物ではありません。植物というのは、土の乾燥は天敵です。土の乾燥で、天候、気温、オリーブの生育状況などが大きく変わります。

水やりのタイミングですが、土の乾燥状態をよく見てください。鉢土というのは、通常、表面から乾いてきます。鉢植え栽培では、鉢土表面が乾いてきたタイミングで水やりを行うことがポイントです。

また、水やりの方法では、鉢土にまんべんなく水が行き渡るようにしてください。これは、水をやり過ぎる部分と、そうでない部分に差が出ることで、生育が上手くいかなかったり、過度な水やりで土がえぐられたりすることを防ぐためです。必ず、ジョウロを使用する、ホースの場合にはハス口を付けて行ってください。鉢の土表面が濡れた程度の水やりでは、中の用土には十分な水は行き届いてはいません。十分に水が行き届いた確認ポイントは、鉢底から水が流れ出るまでが目安です。

数回に分けてたっぷりオリーブに水やりを行ってください。鉢の中にたっぷりと水が行き渡ることで、十分に用土が湿り、底から水が流れ出る際には、用土表面から新鮮な空気が取り込まれて用土の隙間に行き渡ってくれます。

庭植えの適切な水やり方法・頻度

降雨量の少ない日にはしっかり水やりすることが大切です。日本は、庭植えの植物の場合、苗木や植えつけ直後のオリーブの木を除き、あまり水やりに気を使わなくても問題ありません。ただし、連日、雨の降らない日が続いた場合には、水やりに注意しましょう。夏場である7~8月頃は、降雨が2週間位ない日もあり、その場合、庭植えでも水やりを行いましょう。

水やりの目安として、オリーブの枝が広がる範囲の土にたっぷり水やりをしてください。土表面はもちろん、十分に水が土に染み込むまで水を与えることがポイントです。水やりを行う際には、用土へ勢いよく水を撒いてしまうと、泥跳ねして茎や葉に飛び散ってしまいます。その際、病原菌やウイルスが原因で、オリーブが病気にかかりやすいので注意しましょう。ジョウロやホースの先にハス口を付け、水の勢いを弱めて、泥跳ねしないように行ってください。

オリーブの庭植え栽培でも、季節に考慮しましょう。オリーブの木はもちろん、色々な植物にもいえることですが、急な温度変化は植物にとってよくありません。

夏の暑い時期は正午~午後に水やりをすれば、水が熱で温まって株を傷めます。また、気温が低くなる冬は、午後~夜に水やりは控えてください。水が冷えてしまうため、オリーブの根が冷えて、生育にも悪影響を及ぼします。出来るだけ、水やりは午前中に行ってください。

オリーブの剪定方法

オリーブ

オリーブは、初心者でも育てやすい果樹ですが、栽培する上では剪定も大切なポイントです。ここでは、オリーブの剪定方法やポイントについてご紹介します。

剪定時期は3~4月が最適

「オリーブが生育期前で負担が少ない」、「生育期前の剪定でオリーブへのダメージが少ない」ことが理由に挙げられます。

また、オリーブの樹形が乱れてしまっている場合には、9~10月に不要な枝を整枝してください。なお、切り戻し剪定をする際は果実の付きに影響が出ることもあり、注意して行いましょう。

オリーブを剪定する前には、理想の樹形を決めることが大切です。オリーブは、縦長・楕円形の樹形が良いといわれていますが、これは日本で流通しているオリーブに該当します。また、鉢植えの場合は、ひし形の樹形も自然なイメージになっておすすめです。中には、剪定しなくても綺麗に枝が伸びてくれる品種もあります。オリーブの種類によって、剪定が要らない場合にはそのままでもOKです。

オリーブの剪定方法

オリーブの剪定は、1.樹形を調整する、2.不要な枝を間引く、この2つの方法で行います。剪定では、まずオリーブの大きな枝の剪定、次に不要な枝を剪定、この順番に沿って樹形の調整を行います。

大きな枝の剪定では、自分がイメージする樹形になるよう、大きな枝を切ってオリーブの形を整えていきましょう。大きな枝を切った後には、切り口に癒合剤を塗ることが大事なので忘れずに行ってください。そして、枝数調節をします。ポイントは根元から切ることです。

オリーブは、5月以降にグッと成長していきます。その時に、樹形の乱れや枝の混み合いが起こることもあります。その際は、随時、不要な枝を剪定して整えてOKです。

オリーブの増やし方

オリーブの増やし方ですが、一般的に挿し木で増やしていきます。また、挿し木の方法には、休眠枝挿し・緑枝挿しの2つあります。では、オリーブの増やし方について詳しく見ていきましょう。

オリーブは挿し木で増やす

休眠枝挿しは、切り落とした枝を保存したものを用いた増やし方です。基本的にオリーブは、休眠枝挿といって、落葉している間に枝を切り取って挿す方法が一般的です。芽吹き直前の3~4月、または、4~5月が適期です。一方、緑枝挿といって、その年新しく伸びた枝を使用して挿す方法もあります。この場合は、6月中旬〜7月が適期となります。

挿し穂は、若くて元気な前年の枝を使用して挿し木する方法です。切り落とした枝を使用する場合には、できるだけ長い枝のまま乾燥させないようにすることがポイントです。半日ほど十分に枝を水に浸し、湿らせた布などで包んで日の当たらない低温の場所で保存しましょう。

剪定方法

まず、オリーブの枝を切り分けます。オリーブの枝は、芽吹く直前に10㎝程度の長さに切り分けて、根元に近い方をナイフで斜め切りにしましょう。切り口は乾燥しないよう、バケツに入れた水に直ぐ浸けてください。

次に、ひと回り大きい鉢にオリーブ専用土を入れ、挿し木を行いましょう。しっかり植えるために根元固めの作業を行いますが、土に水を含ませながらしっかり固定してください。挿し穂は、葉芽が2芽くらい隠れる程度の深さにし、5㎝程度の間隔を空けて挿していきましょう。挿し木には、発根促進剤がおすすめで、根本にまぶして付着したまま土に挿せば完了です。つけ過ぎには注意してください。

そして、挿し終わったオリーブの鉢は、直射日光の当たらない半日陰の場所で管理します。大体、1ヶ月程度で葉が芽吹いて、3ヶ月程度経つ頃に発根してきます。徐々にオリーブの枝も伸びてきますが、十分に発根するまで掘り上げはしないでおきましょう。しばらく時間を置きますが、翌年の3月頃までそのままの状態で育苗を行ってください。

オリーブの病害虫

オリーブ

オリーブにつく虫の中には、害を及ぼす虫が存在します。オリーブが元気に育つ環境を整えるためにも、有害な害虫の存在を知り、対策を行いましょう。

オリーブアナアキゾウムシ

オリーブアナアキゾウムシは、オリーブ栽培の最大の敵です。薬剤散布が有効である他、清耕栽培といって雑草を生やさない栽培方法や、耕種的防除といって環境条件を適切に選択することによって病害虫や雑草を抑える方法なども有効です。薬剤に関しては、しっかり取扱説明書を読んでから使用するようにしましょう。

オリーブアナアキゾウムシの被害は、口吻(こうふん)でオリーブの木に穴を空け、卵を産み付け繁殖します。そして、幼虫になったオリーブアナアキゾウムシが木を食害していくのです。中々、害虫の存在に気付かず、成虫になって木の外にオリーブアナアキゾウムシが出てきた時に、穴を発見して被害に気付くケースが多いので気を付けましょう。

ハマキムシ

ハマキムシは、発生してしまうと駆除が大変な害虫でもあります。4~11月に発生する害虫で、発生を予防するためには、殺虫剤を散布するのがおすすめです。被害が発生している部分は、取り除いて対処する、また、被害が大きい場合には枝を切って対処しましょう。

ハマキムシの被害は、オリーブの葉を食害し、美観はもちろん被害悪化でオリーブ自体を弱らせます。葉や新芽に生息し、葉を食害することでオリーブの光合成を阻害して、生育の遅れにも影響を及ぼします。また、実のつぼみや果実も食害していきます。大量発生すると内部食害されて枯れてしまうので気を付けましょう。

オリーブ

オリーブは、そのスラッとした姿形が爽やかであり、また、可愛らしさも感じられ、植木や庭植えで楽しむ方は沢山います。鉢植えでも育てられるコンパクトさもあり、マンション住まいの方でも楽しめるのが嬉しいですよね。

また、ある程度オリーブを育てていけば、挿し木で増やすこともでき、楽しさが広がります。お家に緑を増やす観賞用として、誕生日のプレゼントとして、また、記念日に植えてみるのもよいでしょう。

育てる以外にも実が成れば調理することもでき、色々な楽しみ方があります。生活に緑を添える楽しみのひとつに、オリーブの木栽培を暮らしに取り入れてみてくださいね。

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