DATA
■作出:令の風(れいのかぜ) 京成バラ園芸
■花色:淡いラベンダー色
■花型:波状弁咲き ー 四季咲き
■花径:大輪
■花形:四季咲き
■香質:淡香
■樹形:高さ1.5m 直立・木立性
淡いラベンダー色の広めの宝珠弁は中央に向かい濃くなり、波打って少し乱れた感じに重なる。咲き始めは花の中央が灰色味をおびて茶色を感じる色が現れ、咲き進んで濃いめの藤紫色となっていく。花径9~11㎝の大輪。房咲き。微香。樹は高さ1.5mの直立性で、耐病性が高い。花名は、元号「令和」から。もとになった『万葉集巻5 梅花の宴』の序文には「初春令月 氣淑風和」と記されている。2020年春発表。
京成バラ園芸・武内俊介さんの作品には花の開花段階で細かな変化をみせる品種が多い。また直立する樹に藤色のカップ咲きの中輪花が房咲きになる品種には‘しのぶれど’(2006年)があり、長い人気を保っている。一般に直立性の樹に大きめの花が咲くバラは、「花の良さ」を存分に観賞できる。‘令の風(れいのかぜ)は、その「花」が先が尖った花弁が波打って重なる新しいスタイル。「花の表情で選んだ」という通り、ニュアンスある藤色の大きな花の魅力は十分。樹は丈夫で、通常の栽培法で楽しめる。
大きめの花。花弁は波打って重なり、開花段階で微妙な色彩の変化をみせる(写真:京成バラ園芸)
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玉置 一裕
バラの専門誌『New Roses』編集長。
『New Roses』の編集・執筆・アートディテクションを行うかたわら、ローズコーディネーターとしてバラ業界のコンサルティングやPRプランニング、関連イベントのコーディネート、バラの命名等に携わる。
また園芸・ガーデニング雑誌への執筆や講演を通じて、バラの「美」について語ると同時に、新しいバラの栽培法の研究も行っている。