クリスマスローズの育て方|初心者でも簡単!植えつけから増やし方まで
クリスマスローズは、冬の庭に彩りを添える美しい花です。花の少ない季節に咲いてくれると、育てる喜びもひとしおです。
ただし、いざ育ててみると「花数が思うように増えない」「葉が元気なく見える」と悩むことがあります。こうしたトラブルは、生育環境や水やりの加減が合っていないときに起こりやすいです。
この記事では、クリスマスローズの特長を整理したうえで、基本の育て方を解説します。つまずきやすいポイントも一緒に押さえますので、日々の管理にお役立てください。
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クリスマスローズ

学名 Helleborus 科名 キンポウゲ科 別名 ヘレボルス 原産地 主に地中海沿岸から中部ヨーロッパ、西アジア 分類 多年草 耐寒性 強 耐暑性 弱 栽培カレンダー
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月開花時期植えつけ・植えかえ施肥
- 目次
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- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- クリスマスローズの育て方|基礎知識
- クリスマスローズとは?
- 名前の由来と日本での呼ばれ方
- クリスマスローズの花の咲き方と模様
- クリスマスローズの花言葉
- 有茎種と無茎種の違い
- クリスマスローズの育て方|主な品種
- ヘレボルス・ニゲル
- ヘレボルス・チベタヌス
- ヘレボルス・アーグチフォリウス
- ヘレボルス・フェチダス
- ヘレボルス・ヴェシカリウス
- ヘレボルス・トルカータス
- ヘレボルス・アトロルーベンス
- ヘレボルス・オドルス
- ヘレボルス・オドルス
- クリスマスローズの育て方|基本の栽培方法
- クリスマスローズが好む栽培環境
- 土づくり
- 苗選び
- 実生苗
- メリクロン苗
- 開花株と開花見込み株
- 苗を選ぶポイント
- 植えつけ
- 水やり
- 肥料
- 植えかえ
- 花がら摘み
- 古葉取り
- 増やし方
- 交配
- 株分け
- 種まき
- 種まき後の栽培
- クリスマスローズの育て方|季節ごとの管理方法
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
- クリスマスローズの育て方|病害虫対策
- 主な病害
- 主な害虫
- 予防と対処のポイント
- クリスマスローズの育て方|よくある栽培トラブル
- 花が咲かないのはなぜ?
- 花茎が伸びない・葉ばかり茂る
- 葉が黄色くなる原因は?
- 夏越しのポイントは?
- 古葉取りはいつおこなう?
- おわりに
- 【動画】間室みどりさんの植物のお手入れ術
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
☘35:クリスマスローズの育て方|鉢植えと地植えでおススメなのは?苗選びのコツや、肥料の与え方もご紹介
クリスマスローズの育て方|基礎知識
まずは、クリスマスローズの基本的な特長を知っておきましょう。
クリスマスローズとは?
クリスマスローズはキンポウゲ科の多年草です。開花時期は12月~4月頃で、耐寒性が高く育てやすい品種が多くあります。原産地は東ヨーロッパや西アジアで、現地ではクリスマスの時期に開花します。品種によるものの、日本では1月以降に開花するものが多い点が特長です。
花びらに見えている部分は大きな萼片です。花びらは退化して、中心部分にある小さな蜜腺になったといわれています。萼片(がくへん)は散りにくく長持ちするため、長期間にわたって華やかな姿を楽しめるのが魅力です。
名前の由来と日本での呼ばれ方
クリスマスローズは、その名の通り、クリスマスの時期にバラに似た花を咲かせることから名付けられました。日本では「寒芍薬(カンシャクヤク)」や「初雪起こし(はつゆきおこし)」などの名前でも親しまれています。
また、学名である「ヘレボルス」は、根にある毒を使って狩りをしていたことから、ギリシャ語の“Helenin(殺す)”と“bora(食べ物)”を組み合わせたものといわれています。
クリスマスローズという名前は、もともとヘレボルス・ニゲルという品種の英名でした。現在では、ヘレボルス属全体を表す名称として使われています。ヘレボルス属には「ヘレボルス・チベタヌス」や「ヘレボルス・アーグチフォリウス」など、多数の種類が存在します。
クリスマスローズの花の咲き方と模様
クリスマスローズの咲き方には、「一重咲き(シングル咲き)」「半八重咲き(セミダブル咲き)」「八重咲き(ダブル咲き)」などがあります。また、萼片の先端は丸いものもあれば、剣のようにとがったものもあります。萼片の形の違いにも注目してみましょう。
また、クリスマスローズの萼片には、さまざまな模様が存在します。有名なものは、斑点状の「スポット」です。
ほかも、萼片を縁取るような「ピコティー」や、線のような模様が入った「ベイン」などがあります。複数の模様の種類が組み合わさって、複雑なパターンを描いているものもあるので、気に入ったものを探してみてください。
クリスマスローズの花言葉
クリスマスローズには、「追憶」「いたわり」「私を忘れないで」など切ない気持ちを表した花言葉が多く見られます。色に関わらず、同じ花言葉が用いられることが基本です。
有茎種と無茎種の違い
クリスマスローズは、長い茎を持つ「有茎種」と茎の短い「無茎種」に分けられます。中間種とも呼ばれる品種もありますが、多く見られるのは有茎種と無茎種です。
有茎種は茎の先端に花をつけます。草丈は1mを超える品種もあれば、10cmほどのコンパクトな品種もあります。
無茎種は根茎と呼ばれる部分から直接花を咲かせます。根が太くしっかりとしているのが特長です。有茎種は根茎にあたる部分が未発達で、繊細な根が生えてきます。
クリスマスローズの育て方|主な品種
クリスマスローズには多数の種類が存在します。
こちらでは、原種の中から代表的な8種類をピックアップしてご紹介します。
ヘレボルス・ニゲル
「ニゲル」とは、ラテン語で「黒」を意味する単語です。根が黒いことからこの名が付いたとされています。有茎種、もしくは中間種として扱われており、真っ白な花を咲かせます。
ヘレボルス・チベタヌス
ヘレボルス・チベタヌスは、中国原産のクリスマスローズです。花の色はピンクや白で、可愛らしい姿をしています。
流通している国内の苗や園芸店で購入できる品種を選ぶと安心です。環境の変化に敏感なので、優しく育てることが大切です。
ヘレボルス・アーグチフォリウス
ヘレボルス・アーグチフォリウスは、ひとつの花茎に小さな花をたくさんつけるクリスマスローズです。草丈は1mを越すこともある有茎種で、黄緑色の花を咲かせます。大きく育てる場合は地植えがおすすめです。
ヘレボルス・フェチダス
独特の香りがすることで有名なヘレボルス・フェチダスは、草丈が大きくなる有茎種のため、地植えに向いています。
ただし、関東以西では気温が高すぎてしまい、あまり大きく育たないことがあります。暑さに弱いため、夏場の管理が重要です。
ヘレボルス・ヴェシカリウス
ヘレボルス・ヴェシカリウスは砂漠地帯に自生しているクリスマスローズです。
紫と緑の入り混じった萼片を持ち、厚みのある葉が特長です。花が終わると袋状のさやをつくり、種を成熟させます。
ヘレボルス・トルカータス
ヨーロッパを自生地とするヘレボルス・トルカータスは、緑ベースの小さな花を咲かせます。草丈は30cm程度と鉢植えでも育てやすいサイズです。
葉はやや厚みがあり、耐寒性も比較的高いため、冬の庭や鉢栽培に適しています。花の色が淡い緑色なので、他のクリスマスローズと組み合わせて植えると庭に落ち着いた彩りを加えることができます。
ヘレボルス・アトロルーベンス
ヘレボルス・アトロルーベンスは、小さな花をつけるクリスマスローズです。
草丈は30cm~40cm程度で、萼片は内側が緑、外側は紫がかったものが多く見られます。自生地はスロベニア近辺です。
ヘレボルス・オドルス
ヘレボルス・オドルスは、緑~黄色の花をつけるクリスマスローズです。
ヨーロッパが自生地で、スロベニアやブルガリアなどに咲いているのが見られます。
草丈は50cm程度になり、個体によっては香りがすることでも知られています。
ヘレボルス・オドルス
ヘレボルス・オドルスは、緑~黄色の花をつけるクリスマスローズです。ヨーロッパが自生地で、スロベニアやブルガリアなどに咲いているのが見られます。草丈50cm程度になり、個体によっては香りがすることでも知られています。
クリスマスローズの育て方|基本の栽培方法
クリスマスローズは、生長に時間のかかる植物です。
開花までじっくり育てたいときは種から、すぐに花を楽しみたい場合は開花株を購入して栽培しましょう。
ここでは、クリスマスローズの基本的な育て方をご紹介します。
クリスマスローズが好む栽培環境
クリスマスローズは日当たりのよい場所を好みますが、強い直射日光に当たりすぎると株が弱ってしまうことがあります。基本的には、半日陰で管理してあげましょう。
特に、夏の強い日差しを避けるため、遮光する必要があります。春、秋、冬は日なたでも管理することができます。
土づくり
クリスマスローズは根腐れを起こしやすいため、水はけと保水性が良い土を好みます。
自分で配合する場合は、赤玉土:腐葉土:軽石を4:3:3で混ぜたものや、赤玉土:腐葉土:鹿沼土を5:4:1で混ぜたものがおすすめです。植えつけの1週間前には元肥として緩効性肥料『マグァンプK中粒』を混ぜ込んでおきましょう。
初心者の方は、市販のクリスマスローズ専用土を使うと簡単に作業できます。
苗選び
クリスマスローズは、苗を入手して育てるのが一般的です。10月になると苗が流通し始めるため、好きな品種を購入しましょう。
実生苗
実生苗は種から育てた苗を指します。個体ごとに花形や花色などの形質が異なるのが特長です。
開花までどのような花になるかわからないため、育てながら変化を楽しめる点が魅力です。
メリクロン苗
メリクロン苗のクリスマスローズは、親株と同じ花を咲かせるのが特長です。
ポットについているラベルを見ると、どういった花の姿になるのかあらかじめ確認できます。形質が安定した苗を確実に楽しむことができます。
開花株と開花見込み株
クリスマスローズは、二年生のポット苗を購入した場合、花を楽しめるようになるまで最低でも1年ほどかかります。すぐに花を観賞したい場合は、開花株を購入するのがおすすめです。
開花株は12月ごろから出回ります。好きな姿形の花を購入して植えつけましょう。
また、開花見込み株と呼ばれる苗もおすすめです。販売時点では開花していませんが、植えつけたシーズン内に開花する見込みがある株です。
苗を選ぶポイント
苗は、葉の色が濃く、みずみずしいものを選びましょう。色あせたものや黒ずんでいるものは避けておくと安心です。
また、茎ががっしりとしていて太く、花や葉が茂りすぎていない株を選ぶと育てやすいでしょう。
植えつけ
植えつけの適期は10月~12月です。厳寒期になる前に植えつけを済ませておくと、しっかり根を張らせることができます。
鉢植えの場合、クリスマスローズは根を下方向へ深く伸ばすため深鉢を選ぶといいでしょう。鉢底穴は大きめのほうが、排水性が良くなります。軽くて持ち運びやすいプラスチックや、通気性・保水性の良い駄温鉢などがおすすめです。
地植えの場合、真夏に直射日光を避けられる場所を選んでください。落葉樹の下であれば、真夏の時期は半日陰となるためおすすめです。
植えつけ時、基本的には根鉢を崩さないように優しく扱いましょう。土が固まっている場合は、軽く根鉢を崩します。芽が埋まらないよう、浅植えにするのがポイントです。風通しを良くするため、株間は40〜50cm程度確保してください。
水やり
クリスマスローズは、生育期にたくさんの水を必要とします。ただし冬場は凍結、夏場は過湿による根腐れに注意してください。季節によって水の量を調整してください。
鉢植えの場合、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えましょう。
地植えの場合は、基本的に降雨に任せて構いません。晴天続きで乾燥したときにはたっぷりと水を与えます。
肥料
鉢植え、地植えともに、元肥として緩効性肥料『マグァンプK中粒』を土に混ぜ込んでおきます。
鉢植えの場合、10月、12月、2月に追肥として緩効性肥料『プロミック クリスマスローズ用』を施します。生育期にあたる10~4月頃は、月に2~3回の頻度で液体肥料『ハイポネックス原液』を与えると生育が安定します。
地植えの場合、10月頃に『プロミック クリスマスローズ用』を追肥しましょう。また、開花が終わった4月頃に、お礼肥として再び『プロミック クリスマスローズ用』を施してください。5月以降は気温が上がり株の活動が緩やかになるため、施肥は控えめにします。
葉の色が黄色くなっている場合は、肥料不足の可能性があります。様子を見て、少しずつ肥料を与えてみましょう。肥料の与えすぎは、かえって株を弱らせてしまうため注意が必要です。
植えかえ
クリスマスローズは、根の生長が旺盛な植物です。鉢植えの場合、3年に1回は植えかえをして根詰まりを防止します。また、葉が黄色くなったり、鉢底から水が流れにくくなったり、根が鉢底から出したりしている場合は、植えかえてあげましょう。
植えかえの適期は10月~12月頃です。寒さが厳しくなる前に済ませましょう。
鉢は一回り~二回りは大きなものを用意し、新しい土に植えつけます。植えかえ直後は鉢底から水が流れるまでたっぷりと水を与え、その後は半日陰で管理しましょう。
地植えの場合は、基本的に植えかえは必要ありません。生育が停滞したり、新芽が出にくくなったりしたら株分けと一緒に植えかえをしましょう。
花がら摘み
クリスマスローズの花は比較的長く花を観賞できますが、時間が経つと傷んでしまいます。傷んだり変色してしまったりしたものは花茎ごと摘み取っていきましょう。
花がらを早めに摘み取ることで株の負担を減らし、次の生育にもよい影響を与えます。
古葉取り
古い葉がついている場合、そのままにしておくと株元に日光が当たりにくくなり、風通しが悪くなることがあります。11月~12月にかけて、古くなった葉は付け根部分から切り落としましょう。
ただし、根元に近い部分で切るときは、花芽まで切らないよう注意が必要です。枯れて変色しているものや、傷んでいるものなどを優先してカットしましょう。
増やし方
クリスマスローズは、株分けや種まきによって増やすことができます。
栽培に慣れてきたら、株分けや種まきからの育成にも挑戦してみましょう。
交配
異なる特長を持つ花を交配して、新しい花を作り出す楽しみ方もあります。咲き方や花色、大きさ、茎の長さなどが組み合わせによって変化します。
また、「暑さに強い品種」や「病気にかかりにくい品種」など、丈夫な性質を持つ花をかけ合わせることもあります。
交配の際は、ひとつの花から雄しべをの花粉を取り、別の花の雌しべにつけて受粉させます。種子を採種し、種まきして育てていきます。
ただし、どんな花がつくのかは、開花するまではわかりません。理想の花が誕生するまで、何年も何十年もかかることもあります。
なお、登録品種の場合は増殖や販売に制限があることもあるため、取り扱いには注意が必要です。
株分け
株分けとは、植物の株を分割して増やす方法です。同じ性質を持った株を増やすほか、大きく育った株を更新する目的でも行われます。
クリスマスローズを長く育てると、株の中心部から芽が出にくくなることがあります。生育が停滞し、花や葉の数も減るため、種まきから7~8年育てた大株は株分けをして更新しましょう。
株分けの適期は10月~12月ですが、翌年3月頃まで作業は可能です。植えかえと同時に行なうと効率的です。
株分けの際は株を掘り上げ、根を傷めないように土を取り除きます。腐っている根があれば切り落としましょう。1株につき2~3株程度に取り分け、それぞれの株に芽を3個~5個残します。小分けにしすぎると生育が悪くなり、回復するまでに時間がかかるため注意が必要です。
手で割るのは難しいため、ナイフやマイナスドライバーを使用します。作業前や株ごとに道具を消毒すると病気の広がりを防げます。
株分け後は、新しい場所へ植えつけ、1ヵ月間は肥料を控えめに管理してください。
種まき
花が終わったクリスマスローズは、中心に種をつくります。熟すと自然と種がはじけてこぼれるため、採種する際は花茎ごと切り取るか、袋をかぶせて自然に落ちるのを待ちます。
採取した種は乾燥させすぎないよう注意し、湿らせた用土やバーミキュライトと一緒に袋へ入れて冷暗所で保存します。クリスマスローズの種は乾燥に弱いため、完全に乾かさないようにすることが大切です。
種まき後の栽培
クリスマスローズは、種から育てると開花までに3~5年ほどかかります。発芽にも時間がかかり、品種によっては4カ月以上かかることがあります。
種は育苗トレーなどにまき、霜に注意しながら管理します。発芽までは直射日光を避けた明るい日陰に置き、芽が出たら徐々に日なたへ移しましょう。
本葉が1枚ほど出たら育苗ポットへ植えかえます。時期の目安は2~4月頃です。
その後は通常の株と同じように管理し、秋には一回り大きな鉢へ植えかえます。順調に育てば冬から春にかけて開花しますが、品種や個体によってはさらに時間がかかることもあります。
クリスマスローズの育て方|季節ごとの管理方法
春
春はクリスマスローズの開花シーズンです。品種によっては早春から花を咲かせるため、ゆっくりと観賞を楽しみましょう。花後には種をつけるものもあるため、採取するのもおすすめです。
開花後は、株が栄養を消耗しているためお礼肥として液体肥料『ハイポネックス原液』を施し、次のシーズンに備えましょう。4月頃までに済ませておくと、梅雨時期の過失による根腐れのリスクを防ぐことができます。
また、咲き終わった花は花茎ごと切り取っておきましょう。花がら摘みをして種をつくらせず、次の開花へエネルギーを回すことができます。
植えつけの適期は秋ですが、開花株を購入した場合は花後に植えかえも可能です。根鉢が固くなっていることが多いため、根を傷つけないよう軽くほぐしてあげましょう。
春は生育が旺盛なので、日当たりのよい場所で管理します。よく日に当てることで株が生長し、丈夫な葉に育ちます。水やりは、土の状態をこまめに観察しながら行いましょう。
夏
夏はクリスマスローズの生育が穏やかになります。暑さ対策をして夏越しをさせましょう。
この時期の施肥は控え、直射日光や雨などを避けて管理しましょう。鉢植えの場合は、日陰や風通しのいい場所へ移動しましょう。遮光ネットやよしずを用いて直射日光を避けるのも安心です。周辺に草丈の高い植物を植えて、影をつくる方法もあります。
根腐れを防ぐため、水やりは朝や夕方に行いましょう。地温の高い昼に水やりすると、温度が上がり、根に負担がかかることがあります。梅雨や大雨のときは、鉢を移動させて雨が当たらないようにしましょう。
地植えの場合は、あらかじめ水はけの良い場所を選んで植えつけるのが重要です。敷き藁などを活用して地温の上昇を防ぎましょう。
また、夏は株が弱りやすいため、剪定や葉を整理するなどの作業は控えましょう。
秋
秋になると、クリスマスローズの生育は再び活発になります。地上部に変化がなくても根は生長しているため、水やりや施肥を行いましょう。
日陰で管理していた株は日当たりのよい場所へ移します。ただし、急に強い日差しに当てると葉焼けすることがあるため、曇りの日などを選んで少しずつ環境に慣らすと安心です。
この時期は、水をよく吸収するため土の表面が乾いていたらたっぷりと与えましょう。
肥料は10月ごろから与えます。置き肥に『プロミック クリスマスローズ用』や、液体肥料『ハイポネックス原液』を施しましょう。
また、古くなった葉や混み合った葉がある場合は整理しておくと、株元の風通しが良くなります。蒸れによる過湿を防ぐためにも、不要な葉は切り落としましょう。
新しく購入した苗は、秋のうちに植えつけを済ませます。春に採取しておいた種も、この時期に種まきしましょう。植えつけ時は、根が乾燥しないように素早く作業するのがポイントです。
冬
冬の終わりから春にかけてクリスマスローズは花を咲かせます。手入れを重ねて育てた株の花を、ゆっくりと観賞できる季節です。花は切り花や、ドライフラワーにしてアレンジを楽しむのもおすすめです。
冬は水やりの時間帯に注意しましょう。夜に水やりをすると、気温の低下によって土が凍ることがあります。水やりは午前中のうちに済ませましょう。また、空気が乾燥するため、土が乾いているときは水をたっぷりと与えてください。
クリスマスローズは一定の低温に当たることで花芽が伸びやすくなります。冬場も基本的には外で管理します。ただし、霜や寒風で株が傷むことがあるため、寒冷紗で覆う、軒下に移動させるなどして防寒対策をしましょう。
この時期には、開花株が多く店頭に並びます。購入したばかり株は寒さに慣れておらず、外で栽培すると弱ってしまうこともあります。最初は玄関などで管理し、少しずつ環境に慣れさせるとよいでしょう。
傷んだ葉や古くなった葉があれば適宜摘み取ります。また、葉が多すぎて花が隠れてしまう場合も、葉を整理してかまいません。
クリスマスローズの育て方|病害虫対策
クリスマスローズは比較的丈夫な植物ですが、病害虫の被害を受けることがあります。
健康に育てるためにも、主な病害虫とその対策を把握しておきましょう。
主な病害
灰色かび病
葉や茎、花に薄い褐色の斑点が現れ、やがて灰色のカビに覆われる病気です。湿度が高く風通しの悪い環境で発生しやすくなります。
見つけた場合は、患部を切除し早めに取り除き、薬剤を散布してください。
ブラックデス(黒死病)
アブラムシなどによって媒介されるウイルス病です。新しい葉や茎、花に黒い斑点や筋が現れ、葉がねじれて生育が悪くなってしまいます。
現在のところ、治療法がないため感染した株は破棄するしかありません。特に、幼苗期の防除やアブラムシ対策が重要です。
この病気には潜伏期間があり、購入時に症状が出なくても後から発症することがあります。新しく購入した株は、ほかの株から隔離して様子を見ると安心です。
べと病
葉に淡黄色の斑点ができ、症状が進行すると葉の裏面に白いカビが発生する病気です。湿度が高い環境で広がりやすいため、風通しを良くして管理することが大切です。
発生初期であれば、患部を取り除くことで拡大を防ぐことができます。
軟腐病
細菌性の病気で、株元や根が腐敗してしまいます。30~35℃の高温多湿(特に6月~10月)の環境で発生しやすく、特に梅雨から夏にかけて注意が必要です。
発生を防ぐためには、株元を蒸れさせないように管理しましょう。また、7月〜8月頃に予防的に、薬剤を散布しておくといいでしょう。
モザイク病
ウイルス性の病気で、葉にモザイク状のまだら模様が出現するのが特長です。治療方法はないため、感染が疑われる株は、他の株から隔離または処分してください。
主な害虫
アブラムシ
植物の葉や茎に吸汁針を刺して植物の汁を吸う害虫です。生長を阻害したり、病気を媒介したりすることもあるため、見つけ次第すぐに取り除きましょう。
また、薬剤を使用して予防しておくのもおすすめです。おすすめは、肥料やりと害虫の予防・退治が同時にできる『虫を予防するマグァンプ』です。
ハダニ
高温で乾燥した環境で発生しやすく、葉裏に寄生して植物の汁を吸います。被害が進むと黄白色の斑点が現れ、葉色が悪くなります。
定期的に葉裏に散水することで発生を抑えられるでしょう。
ナメクジ・ヨトウムシ・ハマキムシ
ナメクジは梅雨から夏にかけて発生し、花や葉を食害します。
ヨトウムシは夜行性の害虫で、夜間に葉を食害し、被害を拡大させます。
ハマキムシは葉を巻き込んで内部まで食べるため、早めの対策が欠かせません。見つけた場合は捕殺するか、必要に応じて薬剤で防除します。
予防と対処のポイント
病害虫を防ぐには、風通しを確保し、株元を過湿にしないことが基本です。雑草をこまめに取り除き、株の周囲の環境を整えます。
必要に応じて薬剤を定期的に散布すると安心です。ただし、灰色かび病などが増えやすい時期は、状況に応じて散布の間隔を調整してください。
また、ハサミなどの道具は、使用前に必ず消毒してから使いましょう。作業ごとに清潔を保つことが、病気の持ち込みや拡大を減らすことができます。
クリスマスローズの育て方|よくある栽培トラブル
クリスマスローズを育てていると、さまざまなトラブルに遭遇することがあります。
ここでは、よくある困りごとと対処法をご紹介します。
花が咲かないのはなぜ?
根詰まり、葉数が多すぎる、苗が若い、肥料不足などが主な原因として考えられます。
鉢植えの場合、ひと回り大きな鉢に植えかえて根を広げてあげましょう。葉が多すぎるときは4〜5枚程度に整理して光を株元に届けましょう。
肥料が不足している場合は、秋から冬にかけてリン酸を中心とした肥料を施すと、花芽の生長を助けます。若い株は自然に生長するのを待つ必要がありますが、これらの対策で花が咲きやすくなります。
花茎が伸びない・葉ばかり茂る
チッソ過多やリンサン不足、古葉による日照不足が主な原因です。
秋以降はリンサンを重点的に施し、11月〜12月に古葉を根元から取り除くことで、家計が伸びやすくなります。
葉が黄色くなる原因は?
寒さや葉焼け、ハダニの被害、根腐れなどが考えられます。夏の葉焼けであれば半日陰へ移動し、根腐れなら古い根を整理して植えかえをしましょう
また、肥料不足でも葉の色が悪くなることがあるため、必要に応じて適切な肥料を施してください。
夏越しのポイントは?
高温多湿が苦手なため、夏は風通しのよい半日陰で管理します。梅雨時期は軒下に移動させて雨を避けると根腐れを防ぐことができます。
鉢植えの場合は排水を良くし、鉢底から水がたまらないように注意しましょう。また、夏の間は株が弱りやすいため、葉や茎の剪定は控えてください。
古葉取りはいつおこなう?
古葉取りは、株の健康を保ち、花芽の生長を助ける重要な作業です。適期は11月〜12月です。古くなった葉は付け根部分から切り落としましょう。
葉を整理することで風通しが改善し、株全体の生育を促すことができます。切る際は花芽を傷つけないように注意しましょう。
おわりに
クリスマスローズは、冬の庭を彩ってくれる代表的な花です。季節ごとに手入れは必要ですが、もともと丈夫で育てやすい植物なので、初めての方でも育てやすいでしょう。
花色や花形が多彩なので、選ぶ時間も楽しみのひとつになります。まずは気に入った一株から始めて、少しずつ育てる感覚をつかんでいきましょう。
【動画】間室みどりさんの植物のお手入れ術
🌸15:クリスマスローズの育て方 花後の管理と株のリフレッシュ
クリスマスローズの育て方 花後の管理と株のリフレッシュ
TV、雑誌で活躍されている間室みどりさん(ガーデンセンターさにべる)に動画で分かりやすく植物の育て方、長く楽しむお手入れ術をご紹介頂いています。
公開日:2020年11月27日
更新日:2021年11月24日
更新日:2023年02月22日
更新日:2026年03月15日
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