ウナギ(鰻)

2024.02.28

旬:7月(養殖) 10月~12月(天然)
主産地:鹿児島県、愛知県、宮崎県

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天然ウナギと養殖ウナギ

グアム島やマリアナ諸島沖のマリアナ海嶺で誕生し、少しずつ大きくなり、やがて体長5cm程度のシラスウナギとなり、群れで沿岸を目指して回遊します。こうして沿岸に移動してきたシラスウナギを捕獲し、育てたものが養殖ウナギです。天然ウナギは、河口などの淡水の場所に住み着き、大人になったら再び海に戻り産卵します。ウナギの完全養殖はまだ実用化されておらず、最近ではこのシラスウナギの漁獲量も減ってきているため、養殖ウナギであっても、価格が高騰しています。

市場で流通しているウナギの99%は養殖

天然ウナギと呼ばれるウナギは、主にニホンウナギと呼ばれている「アンギラ・ジャポニカ種」です。天然ウナギは季節によって風味が変わり、土用の丑の日のウナギは「さじウナギ」と呼ばれ、脂身が少なくさっぱりとしたウナギです。産卵のため秋に海へ向かって川を下る大きく成長したウナギは「下りウナギ」と呼ばれ、腹の部分が黄色く染まっており、背中部分がやや緑がかっています。養殖ウナギは天然のウナギと色彩が全く違っており、腹部分が白く、背中が青みがかった黒色をしています。

腹開きの関西、背開きの関東

ウナギは丸のまま塩焼きにして食べるのが一般的でした。ところが関西で腹を開いて金串を刺し、タレを付けて焼くという調理方法が開発され、関東にもその方法が流行しました。しかし関東のウナギは脂肪が多く肉もかたいため、新たに「蒸し」の技術が加わりました。関西では商人の文化が強く、お互い腹を割って話をするという事から腹開きですが、武士が力の大きい関東では、「切腹」を連想するため、背開きになったといいます。タレも関東の濃口醤油とみりんの普及により、現在の蒲焼きに近い形になりました。

ウナギ(鰻)のおいしい食べ方

買ってきたウナギをふわふわで食べる

市販のウナギの蒲焼きを買ってきて、家で温め直す場合、そのまま電子レンジでチンしていませんか?ウナギは加熱すると筋肉の繊維がほぐれて、旨味や脂成分が出てきます。また、コラーゲンが魚類の中でも最も多く存在しています。このコラーゲンに水分が加わることでトロトロになり旨味や脂をキャッチして閉じ込め美味しくなります。まずウナギについていたタレを洗い流し、ウナギがくっつかないように油を薄く塗ったアルミホイルにウナギを置き、お酒を少し振りかけてしっかり包みます。オーブントースターで5分ほど温めると完成です。フライパンで蒸し焼きにしてもよいです。

蒲焼きの調理技術を習得するには「串打ち三年、割き五年、焼き一生」といわれる

ニホンウナギの稚魚シラスウナギ

ウナギの蒲焼きを芯にした卵焼きの「う巻き」

白焼きは塩やワサビ醤油で食べると、ウナギ本来の旨みを味わうことができます

ウナギ(鰻)の豆知識

夏が旬だと勘違いされている?

ウナギの旬はいつか?と聞かれると、夏だと答える方が多いと思います。やはり夏の土用の丑の日にウナギを食べることから、旬は夏だと勘違いしがちですよね。でもウナギの旬は夏ではなく、10~12月頃の冬が旬なのです。ではどうして夏が旬だと思うようになったのでしょう?それはエレキテルで有名な平賀源内が影響していると言われています。夏の暑い盛りの土用の時期になると、さっぱり売り上げが落ちてしまうことに困ったウナギ屋が、売り上げアップの方法を平賀源内に相談しました。相談を受けた平賀源内は玄関に「土用の丑の日」と書いて貼るように勧めたところ、そのウナギ屋はとても繁盛したため、他のウナギ屋も真似するようになりました。とても有名なエピソードですが、繁盛した理由は諸説ありますが、丑の日に「う」のつく食べ物を食べると健康に過ごせるという言い伝えがあったからだということです。

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