ウコン

2020.10.10

時期:10 月~11 月
主な産地:沖縄県、鹿児島県

ウコンを選ぶ

春ウコン「姜黄(キョウオウ)」と秋ウコン「鬱金(ウコン)」

春に出るのが春ウコンで秋に出るのが秋ウコンと思われがちですが、春に花を咲かせる春ウコンと、秋に花を咲かせる秋ウコンで、春ウコンと、秋ウコンは品種そのものが違います。一般的にウコンといえば「秋ウコン」のことを指すことが多いです。秋ウコンは果肉がオレンジ色で「クルクミン」が春ウコンより多く含まれています。これに対して春ウコンの果肉は黄色でミネラル分が多く含まれています。カレーの香辛料として使われているターメリックも秋ウコンで、秋ウコンが料理にも使われるのに対し、春ウコンは辛味や苦味が強いので料理には向いていません。そのため、健康食品などに加工して使われることが多いようです。

生ウコン

ウコンの成分と言えばクルクミンですが、他に精油成分や食物繊維がたくさん含まれています。ウコンを乾燥させると精油成分が飛んでしまいますが、生ウコンから調理することで、クルクミン以外の栄養も摂取することができます。生ウコンはすりおろして、魚や肉に香辛料として使い、料理にスパイス感覚で使います。ドレッシングに加えれば美味しく生野菜を食べることができます。脂溶性のため、チャーハン、豚生姜焼き、鳥の唐揚げなど、生姜と同じように使用します。ご飯にバターとウコンを混ぜればターメリックライスが出来上がります。摂取量としては 1 日数グラム程度を目安にしてください。一気に大量に摂取すると副作用が出る危険性もあるので、摂り過ぎには注意しましょう。

世界各国で

インド、東南アジア、中東では食品に香り・着色として用いられるウコンですが、それ以外にも世界中では、様々な用途で利用されています。タイやベトナムなどでは、ウコンを肌に塗るクリームとして使用し、インドでは、顔に塗って日やけ止め代わりに利用されています。

イギリスの伝統的なケッジュリーには欠かせない材料で、中東や北アフリカでは、甘辛両方のピラウスに、また米料理やクスクスのソース、肉の煮込みや野菜料理にも加えます。

カレーパウダー・粉末のイングリッシュマスタード・酸味チャツネ・明るい黄色のピッカリリのようなピクルスには必要不可欠です。祭日用の米料理にはサフランよりもよく用いられ、このように世界各国でウコンは利用されています。

ウコンを保存する

乾燥は大敵、冷凍保存で成分を閉じ込める

ウコンは東インドが原産と言われ、熱帯性の植物ですので、低温保存すると傷みます。また、乾燥に弱く、ある程度の湿気も必要です。 生での保存の場合、土の中は湿度も温度も一定ですので、土中保存が一番安全確実な方法です。少量の場合は、発泡スチロールの箱に土を入れて、そこにウコンを埋め、屋内で保管します。利用するための短期間での保存の場合は、濡れた新聞紙にくるみビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。

また、冷凍保存も可能です。ウコンに含まれる成分は揮発性のものが多いため、冷凍する事によってその成分を閉じ込めます。ウコンを綺麗に洗ってすりおろし、ジップロックなどで小分けにして冷凍します。空気に触れさせない事で、大切な成分を逃さずに使う事が出来ます。

春にきれいなピンク色の花を咲かせることから春ウコンと呼ばれています。和名はキョウオウ。沖縄では春うっちんと呼ばれています。

江戸時代、幕府が栽培を奨励したこともあり庶民にまでウコンは広まっていきました。実際に江戸では徳川吉宗が「麻布御薬園」で栽培していたそうです。

ウコンを使ったもので意外と身近にあるのは、漬物の「たくあん」です。あの黄色の色付けはウコンだったのです。

カレーの黄色を出しているのがターメリックです。ウコンは日本語で、ターメリックは英語表記になります。

ウコンの豆知識

ウコンの新常識、美肌効果にウコン

ウコンと言えば、主成分である「クルクミン」ですが、クルクミンはポリフェノールの一種です。このクルクミンが持つ抗酸化作用には、美肌を維持する効果が期待できます。抗酸化作用によって除去される活性酸素は、老化や生活習慣病の原因物質であるといわれ、活性酸素を抑制することで美肌を維持する効果が得られると考えられています。また、クルクミンには肌老化を防ぐだけではなく、保湿や毛穴に関する肌トラブルの改善、口元のたるみについても効果があるとされています。さらには、疲労を軽減し体調を整えることから、肌荒れなどを防ぎ、健康な肌作りに役立つといわれているのです。インドではクルクミンを含むウコンを、皮膚に塗る化粧品として利用しており、ヒンドゥー教の儀式には欠かせないものとなっています。

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