シイタケ

2020.10.15

時期:9 月~11 月 3 月~5 月
主な産地:徳島県、北海道、岩手県

シイタケを選ぶ

生シイタケはカサの厚みに注目

シイタケは「カサ」を食べるキノコなので、横から見たときの厚みで選びましょう。カサの開き具合が 6~8 割程度の肉厚で、内側にまきこんでいるもの。カサが開ききっていたりヒダが茶色く変色したものは鮮度が落ちています。カサの内側のヒダが白いものが良いです、古くなってくると黒くなってきます。

乾燥シイタケは傘が明るい茶色で、表面にツヤがあるものを

大きなものや袋にたくさん入っているシイタケを選びがちですが、乾燥がしっかりしているものを選びます。傘の部分にシワがたくさん寄っているシイタケは、乾燥が良くないので、食べる時に渋みや苦みの原因となりますので避けるようにしましょう。傘の裏側はキツネ色になっているものが良い乾燥シイタケです。良いシイタケには、旨みがたくさん詰まっていますよ。

シイタケを調理前に一工夫

シイタケを太陽の光にあてる時、太陽の光に当てるのは シイタケの内側

シイタケの内側、外側、どちらを日光に当てていますか?

僕たちは日光の紫外線に当たることによって、体内でビタミンDを合成することができます。シイタケもエルゴステロールという成分が、紫外線に当たることでビタミンDに変化しますので、シイタケを使う前にカサの裏の方を上にして 30~40 分ほど日光にあててから調理するとビタミンDがアップします。

シイタケのうま味をアップする方法

太陽の光に当てるのは有名ですが、冷凍してもうま味がアップします。

冷凍することで、細胞内の水分が凍って体積が膨張すると、細胞が壊れます。そうすると、細胞の中にあったグアニル酸「うま味」が出て来ます。冷凍する場合は、生のシイタケを食べやすい大きさに切ってから、冷凍してください。一晩冷凍させるだけでOKです。解凍は不要で、凍ったまま調理してください。どのキノコでもうま味は増えますが、エノキやエリンギ、シメジは独特の歯ごたえは無くなります。マイタケは苦味が増えるので、ご注意ください。

冷凍するともうま味は増えますが、エノキやエリンギ、シメジは独特の歯ごたえは無くなります。マイタケは苦味が増えるので、ご注意ください。

洗うと風味や香りが落ちやすくなる

シイタケは水分に弱く、洗うと特有の味や香りが損なわれます。傘や軸のちょっとした汚れが気になる場合は、キッチンペーパーや布巾で表面をなるべく傷つけないように優しく拭き取ります。傘をさすように軸の根元を持ち、傘の上から軽くはたくと、傘の中の汚れを落とせます。

シイタケやエノキ、シメジなどキノコ類を鍋に入れる タイミングは?

火を点ける前(まだ水の段階で)にキノコ類を鍋に入れましょう

沸騰したお湯にキノコを入れる方は多いと思いますが、キノコの旨み成分であるグアニル酸を最大限引き出すには、水の時にキノコを入れてゆっくり加熱してください。お湯の温度が60~70度(鍋の小さな泡ができている時くらい)の時に旨みが多く出ます。

シイタケの軸

料理に使う時は傘の部分を使い、切り落とした軸の部分はそのまま廃棄することが多いですが、そこにはうまみがたっぷり含まれています。「石突き」と呼ばれる軸の根元の黒い部分を切り落とし、手でほぐしたり細切りにするときんぴらやみそ汁の具などにピッタリです。特に原木シイタケは軸の香りが強いので、ぜひ召し上がってみて下さい。

シイタケを軸と切り分ける時、包丁で根元をカットすることが多いですが・・・

軸の根元を指で挟み

シイタケの傘の部分と切り離すように

引っ張るだけで簡単に軸が離れます

シイタケを保存する

水気は大敵。新聞紙やキッチンペーパーに包むことを忘れないで。

夏の暑い時期以外でしたら、常温で保存できますので、新聞紙に包んで冷暗所にて保存します。ただし、常温よりも野菜室での保存の方が長持ちします。直接ラップをしたりポリ袋に入れてしまうと水滴がつき傷みやすくなりますので新聞紙やキッチンペーパーに包んで湿気を防ぎ、ビニール袋に入れて野菜室で保存します。傘を下に、軸を上の状態で保存すると、傘の裏のヒダについている胞子が落ちにくく日持ちします。

 

生シイタケの 90%は水分ですので、ずっしりと重いシイタケを選ぶと新鮮な証拠です。

生シイタケよりも乾燥シイタケの方が、より出汁が出ます。

市場での流通量がとても少ない原木シイタケは、軸までおいしいシイタケです。軸の方が香りは強いですよ。

シイタケは英語でも「shiitake」という言葉を使い言い表されます。英語圏で成育しているものではないので「shiitake」になりますよ。

シイタケの豆知識

シイタケという名前は

もともと椎の木の枯れ枝に多く発生していたことから、「椎茸」と呼ばれるようになったと云われています。

旬は秋っぽいですが、春と秋の 2 回

キノコは秋というイメージが強いので、シイタケも秋が旬と思われがちですが、旬は春と秋の 2 回あります。秋に収穫されたシイタケは「秋子」と呼ばれ、春のシイタケは「春子」と呼ばれます。「秋子」は香りが良く、「春子」は寒い冬を耐え、旨みを蓄えているシイタケです。「春子」は「秋子」に比べ柄が短く、全体的に肉厚です。

干しシイタケ「冬菇(どんこ)」「香菇(こうこ)」「香信(こうしん)」

傘のひらきかたによって呼び名が異なります。冬菇(どんこ)は傘の開きが少なく、肉厚で丸みを帯びたものです。香菇(こうこ)は冬菇と香信の中間のサイズ。香信(こうしん)は傘が七分開き以上のもので、全体的に平たくなっているものです。

干しシイタケの戻し方

お湯で戻すのはNGです。基本は【冷水でゆっくり戻す】です。常温の水でもないです。これはシイタケのうま味成分である「グアニル酸」は温度が低い方が引き出しやすいからです。傘を上向きにして冷水に浸し、ラップで落とし蓋をして冷蔵庫に一晩置きましょう。冬菇(どんこ)は傘の開きが少ない分、戻すのに時間も掛かるため、時間がない場合は、傘が七分開きある香信(こうしん)を使うと時短になります。

時間をかけて戻すと、うま味も栄養もアップします!

シイタケと雷の関係

「山に雷が落ちた後はシイタケがよく育つ。」

昔からシイタケの産地では、雷が多いとシイタケがよく育つ、と言われます。これは子孫の存続が断ち切られることのないよう、落雷の被害を近くに感知すると、シイタケ菌の活動力、生命力が活性化し、シイタケが大きく育つのです。生物には危機感を持つと子孫を残そうという本能がありますので、その本能を利用し、シイタケ栽培の現場では、原木を水に浸けたり、原木をフォークリフトで地面に何度も叩きつけることも行われています。つまり、シイタケを強く大きく育てるには、大切に守ることだけではなく、試練を与えてそれを克服させることが必要なのです。

原木シイタケは値段が高いので美味しい?

確かに原木シイタケは菌床シイタケに比べると、味や香りが強く、繊維質もしっかりしているので歯ごたえもあります。料理をする時に、シイタケをメインにシイタケの持ち味を強調する料理の場合は、原木シイタケがマッチします。
一方、他の食材との味のバランスをとる場合のシイタケは、菌床シイタケがマッチしますので、料理に合わせて使い分けをしてみることもおすすめです。

乾燥シイタケは値段が高い?

販売されている価格をパっと見たところ、乾燥シイタケは生シイタケに比べ価格が高いです。
日本食品標準成分表によると、水分含有量は生シイタケが91%に対し、乾燥シイタケは9.7%です。
仮に生シイタケと乾燥シイタケを同じ水分量で考えた場合、生シイタケ100gは乾燥シイタケ1,000gに相当するのです。そう考えると、乾燥シイタケはかなりお買い得かも知れません。

その他

ちいたけ 徳島県産

小さいですが、間引きした椎茸ではなく、これで大人の椎茸。 四国山脈の徳島県の奥山で自生する天然種を栽培した椎茸です。 アヒージョにして食べましたが、旨味がたっぷりで、柔らかくもちっとして美味しかったです。 残りは鍋でいただきました。

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