出世魚「ブリ」のシーズン到来

2021.01.04

旬: 12月~2月
主産地: (天然) 長崎県、石川県、島根県
    (養殖) 鹿児島県、大分県、愛媛県

ブリ (鰤)を選ぶ

切り身を買う場合

血合いの色が赤い方が新鮮。身に張りがあり盛り上がっている。ドリップなどが出ていないこともチェックしましょう。新鮮なものは身に透明感があり、鮮度が落ちると白くにごってきます。

天然ものは、血合の色がくすんできても味には関係ありません。しかし養殖ものは、血合の色が黒ずんでくると味が落ちています。やがて臭みが出るなど劣化してくるので、保冷材と一緒に持って帰り、帰ったらすぐに冷蔵庫へ入れましょう。

切身、刺身の場合、切り口を見て切り口の鋭角さが失われている場合は、時間が経っている証拠です。

切り身は皮の色を見て選びましょう

売っている切り身をよく見ると、皮が青っぽいものや白っぽいものがあります。

ブリの切り身の状態で、皮が青色の部分はブリの背中側の部分になるので、身が締まっていて味がさっぱりとしています。

ブリのお腹側は、切り身の皮は白なので、脂がたっぷりと乗っています。

味の好みで選ぶだけでなく、料理内容によっても使い分けてみましょう。脂が多い部位は、脂を落として調理する、塩焼き、照り焼きなどに。

逆に脂が少ないものは揚げ物など、油を足す料理にすれば最適です。

ブリ (鰤)のおいしい食べ方

刺身よし、煮てよし、焼いてよし。しゅぶしゃぶはいかが?

刺身、照り焼き、塩焼き、煮魚、しゃぶしゃぶ、汁物など、料理法も幅広く何でも合います。

特におススメなのは寒ブリをさっと鍋にくぐらせて食べる「ブリしゃぶ鍋」です。刺身でも食べられる新鮮なブリをさっと鍋にくぐらせて食べる贅沢な鍋です。

日本全国諸説あるようですが、京都府の丹後地方がブリしゃぶ鍋の発祥の地といわれています。

ブリしゃぶ鍋に使用するブリは脂が乗っていて柔らかい腹身がおススメです。ブリは柵で買い、なるべく断面が大きくなるように包丁をできるだけ寝かせ4mm程度の厚さのそぎ切りにします。昆布を入れるだけのシンプルなスープに2~3回しゃぶしゃぶします。表面が白っぽくなり、中がほんのりピンクに色づいた状態が美味しいです。加熱しすぎると身がボロボロとなりますのでご注意ください。

ブリしゃぶ鍋。断面はなるべく広く切ったほうが、口に入れたときにブリの旨み十分に感じることができます。

ブリは脂の乗りが非常に良いため、大根おろしとの相性もよいです。ワサビ醤油よりもあっさりと食べることができます。

寒ブリの寿司は醤油ではなく、塩で頂くのもおススメです。

ブリかまの塩焼き。脂が乗ったかまの美味しさが引き立ちます。パリパリの皮とジューシーな身が美味しいです。

ブリ (鰤)の豆知識

ブリコはブリの子?

ブリは「出世魚」として知られています。地域によって魚体の大きさから呼び名が違いますが、どこの地域でも魚体が80cm以上であるものが、ブリとして扱われています。

関東での呼び方は、モジャコ(稚魚)ワカシ(35cm以下)イナダ(35-60cm)ワラサ(60-80cm)ブリ(80cm以上)です。関西では、モジャコ(稚魚)ワカナ(モジャコより少し大きい。兵庫県瀬戸内海側)ツバス、ヤズ(40cm以下)ハマチ(40-60cm)メジロ(60-80cm)ブリ(80cm以上)となります。

「カンパチ」と「ヒラマサ」はそれぞれブリとは別の魚ですが、同じスズキ目スズキ亜目アジ科ブリ属に分類される仲間で、ブリ御三家と呼ばれています。ブリの旬は冬ですが、カンパチやヒラマサは夏が旬になります。

ブリコはハタハタの子です。ブリコの粒は大きく歯ごたえがあります。噛むと「ブリブリ」という音がするのでブリコといわれたという説と、もう一つは関が原の戦いで、石田三成側に加担したと疑われた水戸藩主佐竹義宣が出羽の久保田(現在の秋田県)に国替えさせられました。毎年正月に味わっていたブリが秋田には無い。そのさびしさを紛らわせるために「ハタハタの卵巣」をブリコと呼ばせて食したのが始まりともいわれています。

ブリ大根

ブリ大根ってどんな料理?

出世魚のブリを使う料理は縁起がいいです。

柔らかく煮た大根に熱湯をくぐらせたブリのアラを加え、しょうゆや砂糖、だしなどで味を調えて煮付けた日本の郷土料理です。

富山湾では良質なブリが多く獲れ、富山の一部の地域では、娘の健康と娘婿の出世を祈願し、嫁ぎ先にブリを贈る風習が今でも伝わります。

2007年、農山漁村の郷土料理百選において富山県の郷土料理として選定されました。

ブリ大根、発祥の由来とは?

ブリは捨てるところが無い魚

北陸では、晩秋から初冬に掛けて起こる寒い大荒れの日を「ぶりおこし」といい、 これが終わるとブリの水揚げが本格化します。

富山湾では良質なブリが多く獲れ、中でも富山湾の西端にある、氷見でとれるブリは有名です。

ブリ大根の発祥は不明ですが、どう調理してもおいしいブリを使って、ブリ大根や照り焼き、ブリのあんじゃなます(ブリを使ったなます)などブリの味を生かした沢山のブリの郷土料理が生まれ愛されてきました。富山の人にとってブリは捨てるところのない魚なのです。

ブリ大根はご当地ではどんな時に食べられる?

「寒ブリ」は12月~2月の厳寒期に旬を迎えますので、富山では、12月~2月によく食べられます。

ブリは漢字で書くと「鰤」、魚に師です。ブリが師走に最も美味しくなるから、という意味で魚偏に師の字が当てられているそうです。

ちなみに、なぜ『ブリ』という名が付いたのか? 由来はいくつかありますが、脂の乗っている魚であることから「あぶら」が「ぶら」となり、「ぶり」となった説が有力です。

ブリ大根を作ったときに、大根が苦くなったり、大根にブリの味が染み込まなかったりした経験ありませんか?

魚を使う料理で一番大事なことは、魚の下処理です。湊流にはなりますが、僕は魚の下処理にタワシや歯ブラシを用意します。魚をさばいた時の血合いの部分をタワシや歯ブラシでとり除きます。アラは、歯ブラシで血合いの部分を取り除き、さっと流水できれいにします。キッチンペーパーでしっかり水気を拭き取り、塩をブリ全体に均一にかかるように振りかけ、20分間そのまま放置します。この「塩をかける」というのは簡単に見えますが、均一にかけるというのが難しいので、僕の場合は、手のひらに塩を乗せ、それをブリに揉みこむように塩をつけていきます。何回かすると均一に塩がついています。20分後、再び水洗いし、水気を拭き取ります。鍋でお湯を沸かし、煮立った湯の中にブリを入れ、しっかり火を通したら、水洗いし、キッチンペーパーでしっかり水気を拭き取り、下処理完了になります。

大根は表皮と身の間に数ミリほどの若干色の違う部分があるので、この部分を取り除くように厚めに大根の皮を剥きます。“大根は殿さまに剥かせろ”とは上手く言ったものです。その後、面取りをして隠し庖丁を入れ、煮立たせます。大根を茹でる際に鍋にお米を少し一緒に入れてください。お米の研ぎ汁でも大丈夫です。お米や研ぎ汁を一緒に入れるのは、大根の苦みを取るためです。お米や研ぎ汁にはデンプンが含まれており、ジアスターゼとデンプンが一緒になることで、デンプンが糖に変化し、苦みを取り、甘くなります。また味が染みやすくなります。大根が茹であがったら、水に取り、ぬめりをしっかり取り除き、大根の下処理が終了です。

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