「害虫」と「益虫」 

2022.07.10

家庭菜園をしていると「害虫」という言葉がよく出てきます。

「害虫」かどうかは人間が野菜や果物を栽培する際に、人間にとって都合が良いかどうかで分類しているので、「害虫」という名の虫がいるのではありません。「害虫」というグループがあるので、反対に「益虫」というグループもあります。

「益虫」でよく知られているのが、テントウムシです。テントウムシ=良い虫というイメージです。テントウムシもよく見て見ると、いろいろな模様があり、体がツヤツヤのもの、ツヤがないものもあります。中には、テントウムシと思っていたものが、実は害虫に属するテントウムシもいます。

トマトやピーマン、ナスの葉を見て見ると、何かに葉を食べられて、葉脈だけ残っている場合があります。それは、たいていこの「テントウムシダマシ」に食べられています。人間から見ると「害虫」になるテントウムシです。ツヤのないテントウムシで、黒い丸模様がたくさんあるのが特徴です。正式名はニジュウヤホシテントウですが、テントウムシに似ているので別名の「テントウムシダマシ」の方が有名です。

テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ)

人間から見て「益虫」のテントウムシはご存じ「ナナホシテントウ」と、黒い体に2つの赤い丸模様がある「ナミテントウ」が代表例。同じテントウムシでも「益虫」「害虫」に区別される違いは何か。それは肉食か草食かの違いです。

一般的には草食は弱い・良いイメージ、肉食は強い・悪いイメージがありますが、テントウムシの草食は「害虫」です。それは葉を食べてしまうから。「益虫」は肉食なのでアブラムシを食べます。

キュウリの葉に黄色のテントウムシがいることがありますが、これは「益虫」「害虫」どちらでしょう? これは「益虫」です。キュウリがよく感染する病気に「うどんこ病」という葉に白い粉がかかったようなウイルスの病気があるのですが、この原因となる「うどんこ病菌」を食べてくれるのです。

テントウムシの幼虫

テントウムシは良く知られていますが、テントウムシの幼虫は知っていますか?見た目は“悪者”の感じなので、葉の上にいると「害虫」と思って駆除されることも多いのですが、テントウムシは幼虫の時からアブラムシをたくさん食べるので「益虫」です。

「テントウムシはアブラムシを全部食べる」というイメージがありますが、正確には好きなアブラムシと、そうでもないアブラムシがいます。

ではカマキリはどういうイメージでしょうか?「益虫」?「害虫」?カマキリは人間にとっての益虫も害虫も両方食べます… クモも同じく益虫も害虫も両方食べます。

 

スズメバチは見た目からも「害虫」のように見えますよね。人を刺すこともあるので害虫になりますが、葉などを食べるイモムシ(蝶やガの幼虫)を食べてくれるので、「益虫」にもなります。

見方が変わると、害虫にも益虫にもなります。

昆虫たちからは人間が「害」と思われているかも知れないですが・・・

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