北海道の地野菜・伝統野菜

2022.12.22

百合根(食用ユリ)

全国の生産量の98%は北海道です。北海道では、古くから「えぞかしゆり」や「おにゆり」が自生していて、これを先住者たちが食べていました。これらを自然交雑し、品種改良を重ねて現在の「白銀」という品種が育成されました。百合根がよく使われるのは茶碗蒸しやおせち料理のきんとん、甘露煮、含め煮などですが、かき揚げなどにしても美味しいです。

札幌黄(タマネギ)

明治11年に札幌農学校で栽培がはじめられた「イエロー・グローブ・ダンバース」をもとに生まれた品種です。

生産量はかなり減っていますが、味の良さから再び魅力が見直されている在来種のタマネギです。一般的なタマネギと比較して、肉厚で柔らかく、煮込むと甘味が強くなるのが特徴です。

八列とうきび

日本の本格的なトウモロコシ栽培は、北海道開拓使がアメリカから導入したトウモロコシから始まりましたが、その時の導入したトウモロコシの品種のひとつがこの「八列トウキビ」。名前の通り、粒が1週に8列並び、全体的に細長いのが特徴のトウモロコシ。

まさかりカボチャ

明治初期に開拓使に導入されたカボチャ。ラグビーボールのような形で、大型で果皮がかたく、まさかりを使って割ったことからこの名前が付きました。完熟するとホクホク系の西洋カボチャ。戦前までは多く栽培されていました。

札幌大球

明治初期に北海道開拓使がアメリカから導入した種を栽培したのが、日本で最初のキャベツ栽培と言われています。札幌大球は8キロから15キロ、大きいものは17キロにもなる大型のキャベツ。肉質はやわらかく、甘みが強いキャベツ。ニシン漬けの材料として使用されることが多いキャベツ。

ラワンぶき

「ラワンぶき」は、足寄町の螺湾(ラワン)地域に自生しているアキタブキの仲間で、高さ3m、太さ10cm以上に育つ日本一大きなフキです。やわらかく食感がシャッキリしていて、一般的なフキに比べてもアクが少なく食べやすいので、煮物やサラダや天ぷらなど何にでも合います。

てんさい(甜菜)

てんさいは、ビーツ、砂糖大根とも呼ばれる北海道特産の、砂糖の原料になる植物です。大正時代から本格的に栽培が行われ、北海道で100%栽培されています。あまり知られていませんが、国内生産砂糖の約8割は甜菜から作られています。砂糖=さとうキビのイメージが有りますが、実際はこのてんさいが原料だったのです。

大野紅かぶ

北海道南部の渡島半島、函館平野に位置する亀田郡大野町(現:北斗市)の在来種で、関西地方の赤カブの種が北前船でもたらされ、江戸時代から栽培されていました。肉質はち密で甘みがあり、根も葉にも濃い紅色が入ります。主に漬け物にして食べますが、根だけではなく葉も一緒に食べると美味しいです。

及部(およべ)きゅうり

最初は北海道南部の渡島半島で栽培されていましたが、明治時代からは松前郡松前町上川(及部は旧地名)地域で栽培されているキュウリです。流通しているものは15㎝程度の大きさで太く短い。熟すと黄色くなり、ネット模様が表面に現れます。松前町では郷土料理の「八杯汁」に入れて食べます。他には酢の物、炒め物として食べます。

札幌大長ナンバン

北海道の郷土料理「三升漬」には欠かせない食材の札幌大長ナンバン。北海道・東北地方では唐辛子の事を「ナンバン」と言います。大きさは10cm〜12cm位の長めのトウガラシですが、赤く熟す前の緑の状態で収穫します。明治時代に岩手県南部地方から導入され栽培された唐辛子が北海道の気候風土に合うようになった品種です。

札幌白ゴボウ

北海道のゴボウ栽培は明治時代に始まりました。当時栽培されていた真っすぐで白い茎の品種を「札幌」の名で定着させたのが「札幌白ゴボウ」の由来です。一般的なゴボウに比べると、表皮、果肉ともに白っぽく、歯ごたえの良いゴボウです。

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