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サラセニアの育て方を解説!気をつけるポイントまでご紹介

サラセニアの育て方を解説!気をつけるポイントまでご紹介

個性的な植物を育ててみたい、ユニークな観葉植物を室内に飾りたいと思っている方はサラセニアの栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

サラセニアは虫を捕食する習性を持つ食虫植物です。そのミステリアスな生態とユニークなビジュアル、エキゾチックな色合いに魅了される人も少なくありません。さらに比較的丈夫な植物であるため、初心者でも育てやすいのが特徴です。

本記事ではサラセニアとはどんな植物かを解説するとともに、育て方や増やし方のコツを紹介します。育てるにあたって気をつけたい病害虫についても解説していますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

サラセニアとは?

サラセニアはサラセニア科サラセニア属の多年草です。ユニークな形状と派手な色合いで観葉植物として広く普及しています。

捕虫葉の表面には「蜜線」があり、そこに小さな虫をおびき寄せます。捕虫葉の中は空洞になっており、滑りやすいため一度落ちた虫は這いあがれません。落ちた虫は筒の中に溜まった消化液やバクテリアによって消化分解されます。

捕虫葉の大きさは品種によってさまざまで、小さなものは10㎝程度、大きなものでは1mを超えます。また蓋になっている部分はとてもカラフルで、斑点模様のものや網目状のものなど、品種によっていろいろな模様が楽しめます。

コレクターも非常に多く、品種同士を交配して新しい品種を作って楽しむ人もいるほどです。リビングやベッドルームなどの室内はもちろん、ベランダや庭に飾ってもおしゃれな空間を演出してくれるでしょう。

サラセニアの葉は、すべて捕虫葉というわけではありません。捕虫葉以外にも、「剣葉」とよばれる平たい葉が生えてくることがあります。基本的に春から初夏にかけて伸びる葉が捕虫葉に、夏に伸びる葉が剣葉になりやすいでしょう。

サラセニアの開花時期は春です。新芽が伸びるころに地際から花茎をのばし、先端に下向きの花を一輪咲かせます。花の色は鮮やかな赤や黄色、緑です。エキゾチックな捕虫葉だけでなく、カラフルで美しい花が楽しめるのもサラセニアの魅力です。

サラセニアは、カナダで暮らすフランス人医師「ミシェル・サラザン」の名前が由来となって名付けられました。サラザンはサラセニアを発見し、その標本を著名な植物学者「ジョセフ・ピトン・トゥルヌフォール」に寄贈しました。

のちにトゥルヌフォールはサラザンに謝意をこめて、「サラセニア」という名前を付けたといわれています。日本では捕虫葉の形がお酒を入れる「瓶子(へいし)」に似ていることから「ヘイシソウ」とも呼ばれています。

「憩い」「風変り」「変わり者」がサラセニアの花言葉です。蜜線から虫をおびき寄せる甘い香りを出すことが「憩い」の由来になったといわれています。また「風変り」「変わり者」は捕虫葉のユニークな形状が由来となっているそうです。

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サラセニアの育て方

ここからは、サラセニアの育て方についてそれぞれの項目に分けて詳しく解説しましょう。

置き場所・日当たり

サラセニアは日当たりのよい場所を好む植物のため、春・秋は日当たりのよい場所で育ててください。できるだけ屋外で育ててあげるとよいでしょう。室内で育てる場合は、日当たりのよい窓際で育てます。

夏の直射日光に当たると葉焼けの原因になるため、風通しのよい明るい日陰で育てましょう。室内で育てる場合はレースカーテンなどで遮光して、直射日光に当てないようにします。頻繁に室内や屋外へと出し入れすると、紫外線量が変化してしまい、生育に悪影響を与えるので注意してください。

冬場は0~5℃の気温を保ち、サラセニアを休眠させてあげます。暖かい場所に置いてしまうと冬場でも生長を続けて体力を消耗してしまい、春に枯れてしまう可能性があります。

0℃以下にならない環境であれば、冬場でも屋外で栽培可能です。冬場に屋外が0℃以下になる場合は、暖房のついていない室内で育ててあげましょう。

水やり

サラセニアの水やりの頻度は、季節によって異なります。春から夏の生育期には、土や水苔の表面が乾いたタイミングでたっぷり水をあげてください。鉢底から水が流れ出るくらいあげるのがポイントです。サラセニアは乾燥を嫌います。常に受け皿に1~2㎝程度の水を溜めてあげると管理しやすいでしょう。

秋になると土の乾き具合を見つつ、徐々に水やりの頻度を減らしていきます。ただし、受け皿の水は切らさないようにしてください。また受け皿の水は定期的に交換しましょう。

冬場は休眠しているため、さほど土が乾くことがありません。ただし受け皿の水は3日に1回の頻度で交換してください。葉水も定期的に行います。

温度と湿度管理

サラセニアは寒さに強い植物ですが、最低温度は0℃以上に保ってください。春から秋にかけては基本的に温度管理は必要ありません。ただし、35℃を超えなおかつ無風の日には涼しい場所へと移動しましょう。

冬場はサラセニアの休眠期にあたるため、室内・屋外にかかわらず0~5℃の環境において休眠させてください。暖房の効いた暖かい場所に置いておくと、冬場での生長を続けてしまい、春先に元気がなくなって枯れてしまうことがあります。

湿度は50%以上80%未満が目安です。しっかり根が張っている場合は多少の乾燥でも枯れることはありませんが、購入したばかりの場合は葉水を与えるなどして乾燥しないように気をつけましょう。受け皿に水を溜めておく「腰水栽培」をすれば、湿度管理も簡単です。

土の選び方

北アメリカなどに自生しているサラセニアは栄養素の少ない場所で生きているため、ほとんど養分のない用土で育てるのが理想的です。以下にサラセニアに適した用土を紹介します。

  • 水苔…サラセニアの栽培でもっとも一般的な用土が水苔です。失敗が少なく元気に育ってくれるので、サラセニアをはじめて育てる方には水苔がおすすめです。
  • ピートモス…ホームセンターなどで売られている、サラセニアによく使用されている用土です。保水性に優れているのが特徴で、一般的には鹿沼土や赤玉土と混ぜて使用します。
  • 鹿沼土…保水性に優れており、観葉植物によく使用される用土です。用土と根が張り付きにくいため古い土を落としやすく、植えかえ時に根がダメージを受けにくいというメリットもあります。

これらの用土以外に、酸度未調整のピートモスと鹿沼土小粒および赤玉土小粒を等量配合したものを使用するのもおすすめです。

植えかえ

サラセニアは12~2月の休眠期に植えかえをします。サラセニアは生長がはやいため、年に1~2回は必ず植えかえしましょう。植えかえの手順は以下のとおりです。

  1. 新しく移し替える容器を準備する
  2. 水苔で栽培している場合は事前に水を差して水苔をフカフカにしておく
  3. サラセニアを容器から持ち上げる。このとき、根を傷つけないようにする
  4. 古い用土を取り除き、根に腐った部分があればハサミで切っておく
  5. 新しい水苔で根を包んで、新しい容器へと移し替える

サラセニアは半年程度でも驚くほど生長する植物です。新しく移し替える容器はなるべく大きなものを選びましょう。

肥料

サラセニアは基本的に肥料を与える必要がありません。根が肥料によって傷ついてしまう可能性があるためです。

大きく育てるためにどうしても肥料を与えたいという場合は、5~10月の生育期に3ヵ月に1度のペースで、3,000~5,000倍に薄めた『ハイポネックス原液』を与えてください。

また、虫を与える必要もありません。タイミングが悪かったり虫を与えすぎたりするとサラセニアが消化不良を起こし、生長を妨げる恐れがあります。

肥料について詳しく知る

増やし方

サラセニアは「株分け」と「種まき」の二通りの増やし方があります。株分けは休眠時期の12~2月に行いましょう。以下に株分けの方法を紹介します。

  1. 葉の付け根部分の根茎を斜めに切り、葉を半分に切る
  2. 水を張ったバケツなどに挿し穂を入れる
  3. 鉢を準備し、水苔に挿し穂を植える

切り取った挿し穂はすぐに水につけ、乾燥させないことがポイントです。

続いて種まきの方法を紹介します。種まきは2~4月ごろに行うのがおすすめです。

  1. 5~7月に開花した花が枯れたら種を採取する。もしくは種を購入する
  2. 種を濡らして冷蔵庫に1ヵ月ほど寝かせる
  3. 用土を入れた鉢に種をまく

濡らした種を冷蔵庫に入れて発芽処理をすることで、発芽が揃いやすくなるためおすすめです。種は花から採取するほかに、ホームセンターなどで購入してもよいでしょう。

夏越し・冬越し

サラセニアは夏が生長期にあたるため、夏場は水を切らさないようしっかり管理してください。高温多湿に強い植物ではありますが、夏の直射日光には弱いため注意しましょう。

また、冬場は落葉して冬越しします。この時期は休眠期にあたるため、水やりは控えましょう。あえて0℃以上の寒さに保って休眠させることで、生長サイクルが正しく働きます。

病害虫対策

サラセニアはウイルス病にかかりやすい植物です。伸びてきた葉がねじれるなどして正常な形をしていない場合は、ウイルス病にかかっているかもしれません。

ウイルス病にかかると治らないため、隔離してしばらく様子見しましょう。正常な形の葉が生えてこない場合はウイルス病にかかっている証拠です。そのまま処分してください。

また、風通しの悪い所で育てるとアブラムシが、暑く乾燥した環境ではハダニが発生することがあります。温度と湿度管理を適切に行い、風通しのよい場所で育ててあげましょう。

剪定方法

サラセニアは通年に渡って剪定可能な植物です。枯れた捕虫葉や花茎を見つけたら、都度剪定してあげましょう。枯れた捕虫葉をそのまま放置しておくとカビの原因になるため、こまめに取り除いてください。

また、休眠期にあたる冬になると全体的に葉が枯れ込みます。根元まで枯れ込んでしまった捕虫葉を見つけたら剪定して整理してあげましょう。

さらに花の開花時期が終わったころにも選定を行います。種は剪定後に収穫しましょう。

サラセニアを育てる際に気をつけることはある?

サラセニアを育てる際に気をつけたいことは「根腐れ」「根詰まり」「葉焼け」「ハダニ」です。これらのトラブルが発生したときに慌てないよう、それぞれの対処法を紹介しましょう。

根腐れ

土中の酸素濃度が低下すると菌叢が変化し、有機物の腐敗が進んで植物に有害なアンモニアが発生します。このような状態になると土壌環境が悪くなるため、根腐れが起こります。

また、土が常に湿っていると、根が呼吸できません。根が呼吸できないと細胞が死んでしまい、水を吸い上げられなくなります。こうなると葉や茎に水が供給されなくなり、枯れてしまいます。根腐れが起こったときの主な症状は以下のとおりです。

  • 土がなかなか乾かない
  • 水をあげても植物が元気にならない
  • 葉が変色している
  • 葉がよく落ちる
  • 幹および幹の根元が柔らかくなっている
  • 土から腐敗臭のような嫌なにおいがする
  • 土の表面にカビが発生している
  • 根が黒く変色している

根腐れが起こったら、鉢を入れ替えて土の環境をよくしてあげましょう。傷んだ根や葉、枯れた枝を取り除きます。根元から腐ってしまっている場合は、無事な部分まで切り取ったあとに株分けをして回復を待ちましょう。

根詰まり

根詰まりは鉢のなかが根でいっぱいになることで起こります。特にサラセニアは春夏の生長期に根詰まりが起こりやすいので気をつけましょう。根詰まりが起こると以下の症状が見られます。

  • 鉢の底から根が出てくる
  • 鉢にひび割れが入る
  • 水が浸透しづらくなってしまう
  • 葉が黄色に変色する

根詰まりを起こしてもすぐに枯れてしまうことはありませんが、放置していると生長に悪影響を及ぼすため、早めの対処が重要です。

根詰まりは一回り大きな鉢に移し替えることで解決します。根詰まりを防ぐためにも、年に1回は必ず植えかえしましょう。植えかえの時期は生長期にあたる春夏が適しています。

葉焼け

夏の強い日差しをあびたり、直射日光に当たったりすることで葉焼けを起こします。葉焼けの症状は以下のとおりです。

  • 葉の一部が茶色く枯れる
  • 葉の色素が抜けて白くなる

葉焼けの症状に気づいたら、早めに置き場所を再検討しましょう。直射日光が当たらない場所に移動させるか、日差しが当たらないよう工夫します。

葉焼けを起こした部分は元には戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるまで待ちましょう。

ハダニ

ハダニはダニ科に属するクモの仲間です。植物に口を刺して汁を吸いエサにします。繁殖力が強く薬剤耐性もあるため、大量発生すると非常にやっかいです。

サラセニアにハダニが発生すると以下の症状がみられるので注意しましょう。

  • 葉の裏に小さな虫がつく
  • 葉にクモの巣に似た糸がつく
  • 葉の色が薄くなったり葉が枯れたりしている
  • 葉に傷や斑点がついている

ハダニがわいたら殺虫剤を使用して駆除します。傷んだ葉はカットし、葉の裏表や根元、茎をきれいに洗浄しましょう。

ハダニを予防するにはこまめな霧吹きや葉のふき取りで、清潔な状態を保つことが大切です。月に一度シャワーで洗い流すなど、お手入れをおこたらないようにしましょう。サラセニアを常にきれいな状態にしておけば、ハダニが発生する心配はありません。

サラセニアを育てる難易度

サラセニアは育てるのがそれほど難しくないため、初心者でもチャレンジしやすい植物です。サラセニアが自生している北アメリカには四季があり日本と環境が似ているため、日本での栽培に適しています。

置き場所にさえ気をつければ、屋内・屋外どちらでも育てられます。観葉植物として育てるのはもちろん、庭のアクセントとして栽培するのもおすすめです。

食虫植物と聞くと、定期的に小さな虫を与えなければいけないのでは?と思う方もいるかもしれませんが、そのようなことはありません。基本的には光合成と水のみで、じゅうぶん生長します。

また非常に丈夫な植物ですので、冬場の休眠時期は葉が枯れてしまいますが、春になるとまた新芽が出てきます。管理のコツさえつかんだら、越年して楽しめる観葉植物です。

品種によっては育てるのが難しいものもあるため、最初は簡単な品種からチャレンジして、徐々に難しいものへと挑戦していくのも楽しいでしょう。

まとめ

サラセニアは、ミステリアスな生態と個性的な形状、エキゾチックな色合いが人々を魅了する食虫植物です。

さほどこまめな水やりや肥料も必要なく、日当たりや休眠管理さえ気をつければ初心者でも栽培を楽しめるでしょう。

ぜひサラセニアの栽培にチャレンジして、そのユニークで個性的な姿を堪能してください。

#サラセニア #観葉植物の育て方 #特集

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