マグロ (鮪)

2024.03.01

旬: クロマグロ 12~2月 別名、本マグロ。
ミナミマグロ 11~3月 別名、インドマグロ。
メバチマグロ 10~2月 流通量が最も多い手頃なマグロ。
キハダマグロ 6~11月 ツナ缶の原料になるマグロの一種。
ビンナガマグロ 11~12月 安価で、ツナ缶や回転寿司でよく見られる。

主産地: 青森県、神奈川県、和歌山県

マグロ (鮪)を選ぶ

マグロの色をチェック

赤身もトロも、新鮮で肉質の良いものは、「透き通ったような赤色」で身の色に透明感があります。また良く脂が乗ったものは、透明感のある身の中に白い脂肪の色が入っています。中トロや大トロの場合は、脂が多いほどピンクに近い色ですので、赤みがピンクに近い赤色を選ぶとよいですよ。脂のまわりが茶色くなっているものは水っぽく鮮度がよくありません。生のマグロは鮮度が落ちると白くなり、冷凍マグロは冷凍焼けや、ドリップで水分を失うと白くなります。

天然マグロと養殖マグロ

天然のマグロは、イカやサンマを餌にしているから、養殖マグロに比べて食べた時のコクや旨味が強いのが特徴です。一方、養殖のマグロは、イワシ、サバ、アジなどの脂ののりを重視した魚をエサとして与え人工的に大きく育てているので、赤身部分が少なくなり、脂身が多いトロ部分がたくさん取れます。マグロ本来の味は薄いので天然マグロを食べ慣れている人には、養殖マグロの味はくどいと感じるかも知れませんが、好みによって買い分けるのも方法です。

生のマグロと冷凍マグロ

「近海ものの生が最高」と言われていますが、近海・生のすべてが美味しいわけではありません。脂の乗りは個体一本ごとに異なり、船上での処理の仕方や、帰港するまでにかかる時間などでも質が変わってしまいます。一方冷凍ものは、釣った後直ちに〆られ、そのまま船上で急速冷凍されます。船には零下50~60度の超低温冷凍庫が備えられており、漁獲直後の鮮度がずっと保たれています。生でも冷凍でも1本丸ごと買うことはないと思いますので身をよく見て選びましょう。

横浜市中央卸売市場にて

マグロ (鮪)のおいしい食べ方

美味しいサクを見分けてみよう

マグロは赤身、中トロ、大トロと部位で分けられます。同じ部位でも頭に近いサク、天身(中心)に近いサク、皮に近いサクなどサクの形は異なり、それぞれ脂ののりやスジの入り方も異なりますので、味や食感も異なります。刺身用のサクは、長方形に切られているもの。そしてスジの間隔が広く平行になっているものを選びましょう。スジとスジの間が平行になっているものは、頭や体の中央部分です。尾に近くなるほど、筋が湾曲します。黒い斑点や血栓のあるサクは、臭みや傷みの元になる場合があるので、黒い斑点が出来るだけ少ないものを選びましょう。

マグロの尾を切断するのは、仲卸がそこを見てマグロの質を判断する為だそうです。横浜市中央卸売市場にて。 

僕が3歳の頃からお世話になっている「つきすそ横浜そごう店」 にて。

大間のマグロの熟成した大トロの蛇腹は、本来堅くしっかりしているスジの部分にも脂がしっとりとつき、柔らかいのが特徴です。

サクの右端からスジ目に対して直角に包丁を入れ、押したり引いたりせず、ゆっくりと引いて一気に切ります。

マグロ (鮪)の豆知識

「マグロ」に関する言葉

マグロというのは、目が黒いという意味で、「眼黒」から「マグロ」となったという説と、マグロが泳ぐのを見ると、水面に真っ黒な魚が泳いでいるように見えることから、体が黒いという意味で「マグロ」となった説があります。
マグロという漢字は「鮪」と書き、「魚へん」に「有」という字を書きます。これは泳ぎ続けるマグロの習性からきています。「有」という字には、「外側を囲む」という意味があることから、囲むように広い範囲を回遊するという意味からつけられたという説があります。

また、マグロの鉄火丼や鉄火巻きに使われている「鉄火」の意味は知っていますでしょうか?
「鉄火」とは、真っ赤に熱くなった鉄の色の事を意味していますので、鉄火丼、鉄火巻きにのるマグロは赤身なのです。鉄火巻きと呼ばれるようになったのは、昔の博打場のことを鉄火場と呼んでいたことからきています。博打場は鉄火(熱くなった鉄のように気性が荒いという意)という人々が集まるために鉄火場と呼ばれるようになりました。鉄火場で博打をしている人たちは食事をしている時間も惜しんで賭け事を続けています。巻物であれば、賭け事をしながら手軽に食べることができ、海苔で巻かれているので手を汚すこともありません。もともとはキュウリを巻いたかっぱ巻きやかんぴょう巻きを食べていましたが、マグロの切れ端にワサビを混ぜて巻物にしてみたらスグに人気となり、鉄火場でつくられた巻物で鉄火巻きと呼ばれるようになりました。

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