キャベツを選ぶ

葉を見よう

葉の緑が濃くて、全体にツヤとハリがあるものがおすすめです。春キャベツの場合は、芯の 切り口が小さく、巻きのゆるいものを。冬キャベツは巻きがしっかりと詰まっているものを。持ったときにずしりと重く、かたいものを選ぶようにします。葉は購入する時も剥がさない で中身を保護するために残しておきましょう。葉が白いキャベツは、葉が傷んだり、虫に喰われたために何枚か葉を取っているキャベツですが問題ありません。冬は葉に霜がつき、若 干紫っぽくなりますが、味に影響はありません。

お尻を見よう

キャベツを選ぶ時は葉だけではなく、お尻もチェックしましょう。切り口がみずみずしく白いものは新鮮です。大体 500 円玉ぐらいの大きさがベストです。それ以上大きくなると成長のし過ぎで、葉がかたくなり苦味が出てきます。キャベツは芯から傷んできますので、芯の切り口が変色していないか、黒ずんでいないかなどのチェックが大事です。キャベツは芯を中心に成長するので、芯が丸いと、全体の形もきれいで、おいしいキャベツになります。また、軸がきれいに五角形になっているキャベツは肥料のバランスや生育が正常で理想的なキャベツです。

カットしているキャベツは?

半分にカットされて販売されているキャベツは、葉に隙間がなく芯の高さに注目です。芯の高さが全体の 3 分の 2 程度のものが良いキャベツとされていますが、真ん中よりちょっと長いぐらいがベストです。芯は成長しすぎるとかたくなり苦みも出ます。半分にカットされている場合は、葉から芯に向かうにつれ、黄色みを帯びているものが良いです。神奈川県の三浦半島は海に面しているので、海からの風と水分(ミネラル)を吸収しているため、とてもおいしいキャベツが出来ますよ。

キャベツを保存する

キャベツを丸ごと使わないときは、カットせずに一枚ずつ外側から葉をめくり使った方が長持ちします。キャベツは外葉の葉は捨てずに保存の際に包んでやると、乾燥対策になります。その上から新聞紙で包んでビニール袋などにいれて保存します。また、乾燥しやすいので芯をくり抜き、水を含ませたキッチンペーパーを詰めたあとにビニール袋などに入れて冷蔵庫に入れても OK です。

保存のポイントは乾燥を防いで冷蔵すること。まず芯を包丁でくり抜きます。

カットしたものはラップで全体を覆い、乾燥を防ぎ冷蔵庫で保存する。

生のまま冷凍もできます。レンジで軽く解凍して水分をしぼると、しんなりとした塩もみ状態に。

キャベツの豆知識

世界最古の野菜の一つと云われているキャベツは、ヨーロッパでは紀元前から栽培されていて、当時は葉が結球しない葉キャベツでしたが、徐々に改良され現在のような形になりました。日本には江戸時代に伝わり、明治時代に入ってから本格的に栽培されるようになりました。

千切りキャベツ

トンカツの付け合わせに定番の千切りキャベツは、日本でトンカツを考案した銀座の煉瓦亭さんが最初にはじめたと言われています。当初(明治後期)はフライドポテトとニンジンが付け合わせだったのですが、日露戦争がはじまり若いコックが出征したため、人手不足から手間のかからない付け合わせを考え、その組み合わせが人気となり今に至っています。

キャベツは旬が2回

旬は春と冬です。春キャベツは葉の巻きがゆるく内部まで黄緑色、やわらかいので生食向きです。冬キャベツは巻きがしっかりとして重みがあるので、煮込むと甘みが出ます。

春キャベツと冬キャベツは別の品種

春に収穫するから春キャベツと思われている方も多いですが、品種が違うので、葉の巻き方も異なります。冬キャベツは形が扁平で色が薄く、かたく結球していますが、春キャベツは冬キャベツ(寒玉)を改良した品種で、丸い形で巻きがゆるいのが特徴。色も濃く、みずみずしく食感もやわらかいです。春キャベツは冬の厳しい寒さを乗り越えて、じっくり甘さを蓄えているので、ビタミンC やカロテンの含有量も冬キャベツよりは多く含まれています。

胃腸の健康におすすめ!

キャベツは豊富なビタミン C で、葉を生で 2~3 枚食べることで、1 日に必要なビタミン C 量の 50%以上が満たされるといわれています。キャベツ特有の成分として、ビタミン U が挙げられます。ビタミンUは別名『キャベジン』とも呼ばれ抗潰瘍効果のある成分なので胃や十二指腸の潰瘍の予防・治療に効果が期待できます。また、ビタミンKも豊富です。ビタミンKは骨を丈夫にする作用があり、骨粗しょう症の予防に効果的です。さらに、キャベツに含まれる各種ミネラルには、消化や吸収を助ける作用があり胃もたれなどを解消してくれる効果があるので、とんかつなどの油っこい食べ物に最適な組み合わせです。

「とんかつ」と「キャベツ」の組み合わせのきっかけは、日露戦争で東京・銀座の『煉瓦亭』の若いコックさんが兵隊に行き、人手不足をカバーするために生まれたアイデアでした。

キャベツは緑色なのに、緑黄色野菜ではない?

緑黄色野菜というと、緑や黄色の野菜だと思いますよね。だからキャベツも緑色なので緑黄色野菜だと。厚生労働省が定めた緑黄色野菜の基準を見てみると、「原則として可食部 100g 当たりカロテン含量が 600µg(マイクログラム)以上の野菜」となっています。なんと、緑黄色野菜と淡色野菜は、見た目の色で区別されるわけではないのです。だからキャベツだけでなく、レタスも緑黄色野菜ではありません。

キャベツの芯はうま味たっぷり

キャベツの芯は葉の約2倍のカリウム、カルシウム、食物繊維が含まれており、うま味成分である「グルタミン酸」もたっぷり含まれています。「そぎ切り」にして食感が残る程度に軽くソテーすると甘みが出て、おいしく食べることが出来ます。

そもそも芯は、葉に栄養を送るための栄養のストック場所になっています。だから栄養がたっぷりと含まれているのです。フライにするとほくほくで美味しいです。

サボイキャベツはフランスのサボイ地方で作られてきたので「サボイキャベツ」と呼ばれます。日本では「ちりめんキャベツ」と呼ばれます。一般的なキャベツよりも水分が少ないので、生食よりも煮込み料理やポトフなどの加熱料理に合います。肉厚で、破れにくい繊維質の葉の特徴を活かしてロールキャベツもおススメです。

札幌大球(さっぽろたいきゅう)

札幌の伝統野菜。毎年 10 月下旬から 11 月初旬の 2 週間しか収穫されないキャベツで、重さ 10 キロ以上になり、一般的なキャベツの 10 倍以上になります。

白いフリルケール

ケールというと青汁で有名ですが、これは全然苦くなく、生食で食べます。サラダするのがポピュラーな方法です。

レッドカーリーケール

ケールと言えば青汁の材料ですが、これは苦みが少なく、サラダ向きなケールです。 カーリーしているのでドレッシングがよく絡み食べやすいですよ。

キャベツのトウ立ち

 

【カーボロネロ】
カーボ・ロネロと言われがちですが、カーボロ・ネロです。イタリア、トスカーナ地方が原産の野菜で、イタリア語で、カーボロ(キャベツ)・ネロ(黒)からきています。黒キャベツとはいっても真っ黒ではなく、濃い緑色で、結球しない葉キャベツの一種で、「ケール」と同じ仲間の野菜です。
やや繊維質が堅く感じますが、味は見た目の印象ほどクセはなく、味は濃く美味しいです。ちょっとした苦味がクセになる野菜ですが、冬になると寒さに当たって甘くなります。ご覧の通り、ちりめん状のデコボコした表面なのでソースが絡みやすく、また葉は厚く破れにくいので煮込んでも煮崩れしにくいのが特徴です。
オムレツ、ミネストローネ、ロールカーボロネロ、カーボロネロチップス、ベーコンとの炒めもの、ペペロンチーノ、スープなど何にでも合います。

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