実エンドウ(グリーンピース)

2020.11.25

時期:3 月~5 月
主な産地:和歌山県、鹿児島県

実エンドウ(グリーンピース)を選ぶ

「絹さや」、「グリーンピース」、「エンドウ豆」は同じ品種

「エンドウ」という品種の中に、「絹さや(サヤエンドウ)」、「グリーンピース」、「エンドウ豆」があります。「絹さや」と「サヤエンドウ」は同じもので、ほのかに甘く平べったい形をしています。絹さやは関東での呼び名、サヤエンドウは関西での呼び名です。

「絹さや」、「グリーンピース」、「エンドウ豆」は収穫段階で呼び名が変わります。

 

若いサヤの状態で収穫→「絹さや」「サヤエンドウ」

中の豆が未成熟の状態で収穫→「グリーンピース」

中の豆が完全に熟した状態で収穫→「エンドウ豆」

「グリーンピース」と「うすいエンドウ」の違い

平べったい形の「絹さや」「サヤエンドウ」

「グリーンピース」と「うすいエンドウ」の違い

エンドウが大きくなって完熟する前の状態で収穫した柔らかい実を「実エンドウ」と呼びます。これが私たちが良く知っている「グリーンピース」です。グリーンピースは豆が成長しているので味が強く、甘味がありますが、青臭さや食感で好き嫌いが分かれます。グリーンピースは全国的にも利用されていますが、和歌山特産の「うすいエンドウ(紀州うすい)」は関西を中心に利用されています。見た目は似ていますが、品種が違うので味や触感が違います。「うすいエンドウ」の方が皮が薄く、豆の青臭さも少ないです。「グリーンピース」に苦手意識がある方でも、「うすいえんどう」なら食べることが出来るのではないかと思います。関西では豆ご飯にして食べることが多いです。

サヤ付きのフレッシュなグリーンピースを

実エンドウ(グリーンピース)は実(豆)だけ売っている場合と、サヤごと売っている場合があります。グリーンピースはサヤから出して時間が経つと風味が低下していくので、サヤ付きがおすすめです。サヤ付きの場合、サヤがふっくらとしていて張りがあり、きれいな黄緑~緑色のもの。サヤの表面やへたが変色していないものを選びましょう。むいたものはすぐに乾いてしまうので、調理の直前にサヤから取るのがポイントです。調理する場合でも下茹でしてから使用することで青臭さが低減できます。食感が苦手な方は、3~5 月の旬の時期の生のグリーンピースを選んで食べてみましょう。冷凍や缶詰とはちがう、みずみずしいフレッシュな食感が味わえますよ。

サヤ付きのグリーンピースを買った場合、サヤはスジっぽくかたいので捨てるのが一般的でしたが、サヤは“うま味”のかたまりだということが分かりました!

サヤから“うま味”を取り出す

グリーンピースのサヤは「グルタミン酸」がとても強いので、煮だすだけで出汁になります。
サヤを洗い、水にサヤを入れ、30分程度煮だしてください。それだけで出汁の完成です。

実エンドウ(グリーンピース)を保存する

鮮度が落ちやすいので、購入後すぐに塩茹でしましょう

すぐに調理出来ない場合、乾燥しないようにするのが絶対条件。

 

・サヤ付きの場合
収穫後も呼吸しているため、表面からどんどん水分が失われていきます。乾燥に弱いので、生で保存する場合はビニール袋に入れ、野菜室で保存します。2 日を目安に調理するようにしてください。

 

・実(豆)の場合
サヤから取り出した実(豆)の状態であれば、鮮度が落ちやすいためその日のうちに調理するのが良いですが、調理出来ない場合は水に浸して冷蔵庫に入れておきましょう。

市販されている豆苗は、エンドウ豆の芽(スプラウト)ですが、豆苗用の品種(無消毒種子)で作られているので、育てても絹さややグリーンピースにはなりません。

絹さやは関東での呼び名、サヤエンドウは関西での呼び名です。

皮が薄く青臭さも少ない。実が大きくて繊細な甘みがあり、ほくほくとした食感が特徴の「うすいえんどう」を使った豆ご飯は関西の春の定番ご飯。

エンドウを品種改良したものがスナップエンドウです。絹さややグリーンピースと違う種類になります。

実エンドウ(グリーンピース)の豆知識

エンドウ豆といえばメンデルの実験(優性の法則や分離の法則)だけではない

「嫌いな野菜」ランキングでは常に上位に挙がってしまうグリーンピースですが、野菜の中でトップクラスの食物繊維の含有量を誇ります。ひと握りのグリーンピースを摂取するだけで、大盛りのサラダ1杯分に相当する程の量なのです。その他、たんぱく質、カリウム、亜鉛、ビタミンB1 なども豊富です。グリーンピースが苦手な人は旬の時期にフレッシュなグリーンピースを食べると、今までの苦手なグリーンピースの概念が変わることがあります。缶詰のグリーンピースとは雲泥の差です。

「うすいエンドウ」は「薄いエンドウ」ではない

グリーンピースとは別に、関西でよく利用されている和歌山特産の「うすいエンドウ(紀州うすい)」の「うすい」は“エンドウマメよりも色や皮の厚さが薄いから”と思われがちですが、実は大阪府の地名が由来です。明治時代に、アメリカから入ってきた品種を大阪府羽曳野市の碓井(うすい)地区で栽培していましたが、それを昭和初期に和歌山県で導入し、作られたのが「うすいエンドウ(紀州うすい)」です。

シュウマイにグリーンピース

シュウマイにグリーンピースが乗っている理由は諸説ありますが、当時、給食など団体用の冷凍食品開発を手がけていた帝国水産、現在のニチレイがショートケーキの上に乗っているイチゴを模して、シュウマイの上にグリーンピースを乗せたという説、シュウマイをたくさん蒸している際に数えやすいように目印になるグリーンピースを乗せたという説などがあります。でも最近はシュウマイにグリーンピースはあまり乗っていないようです。

その他 

ツタンカーメンの豆(紫えんどう豆)静岡県産 ツタンカーメンの古墳から出土したと言われているえんどう豆です。さやの色は濃い紫色ですが、豆は緑色。

豆ご飯にすると、ご飯がだんだんと赤飯のようになるとの事でやってみましたが、豆が少ないのかうっすらピンク色でした。

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