国の研究機関「農研機構」初の “広報アンバサダー”に就任します

2021.07.31

ナシV字仕立て(省力樹形)を見学する (つくば市・農研機構本部にて)

農研機構って?

農研機構とは、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(のうぎょう・しょくひんさんぎょうぎじゅつけんきゅうきこう、英語: National Agriculture and Food Research Organization, NARO)のことで、農林水産省所管の国立研究開発法人です。
茨城県つくば市に本部を置き、5つの地域農業研究センター、7つの研究部門、3つの重点化研究センターから構成され、基礎から応用まで幅広い分野で研究開発を行っている機関です。
もちろん農業分野では日本最大の研究機関で、研究開発の成果を社会に実装するため、国、都道府県、大学、企業等との連携による共同研究や技術移転活動、農業生産者や消費者への成果紹介も積極的に進めています。
一般向けの見学施設として「食と農の科学館」をつくば市にある本部に併設し、無料公開もされています。

植物工場つくば実証拠点を見学しました

太陽光利用型施設で、トマト・キュウリ・パプリカの生産効率の向上をめざす研究をされています。

シャインマスカット、ふじ、インカのめざめ

普段何気なく手にしている身近な野菜や果物、米、お茶にも農研機構が開発をした品種がたくさんあります。

りんごの「ふじ」、梨の「豊水」「幸水」「あきづき」、ぶどうの「シャインマスカット」、桃の「あかつき」、柿の「太秋」、栗の「筑波」「丹沢」「石鎚」「国見」「紫峰」「ぽろたん」、お茶の「べにふうき」「さえあかり」「せいめい」、いちごの「恋みのり」「よつぼし」「桃薫」「おおきみ」「さちのか」、さつまいも「べにはるか」「安納こがね」、じゃがいもの「ノーザンルビー」「きたむらさき」「インカのめざめ」などなど切がありません。

品種開発だけでない

ジーンバンクにて

ジーンバンク。遺伝子銀行ですね。品種の開発や昨今の温暖化などによる環境の変化により、絶滅する品種もあります。完全にこの世の中から無くならないようにするために、長期保存に適した方法で保管されています。

農研機構にあるジーンバンクは世界第5位の植物遺伝資源保存点数を誇ります。

農研機構から寺島なす、高井戸半白きゅうりの種を譲り頂き、試験研究しています。

寺島なす

高井戸半白胡瓜

もっと知ってもらいたい

農研機構は、多くの品種を開発しているだけでなく、収量や病気、スマート農業など農業と食に関するすべての方面で研究されている最高機関です。農研機構では今回、”広報アンバサダー”の仕組みを作られ、最初の”農研機構広報アンバサダー”に就任することとなりました。僕のミッションは農研機構の開発した技術や食と農に関する知見などを、もっともっと世の中に浸透させていくことです。

例えば、スーパーの売り場に「りんご」「桃」などと品目で表示されているケースがまだまだ多いですが、そのうち「桃・なつおとめ」「りんご・もりのかがやき」などと品種名でも表記されることが一般的になるといいなぁと思います。

そして皆さんが野菜やフルーツなどにもっと興味を持たれ、生産されている農家の方、流通の人が鮮度を保つために工夫をされていることなども知っていただけるようなきっかけ作りを、アンバサダーとして広めていきたいと思います。

 

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