Plantiaトップ 彩る お庭を彩る 春へのワクワクがとまらない!春咲き球根をコンビネーションで楽しむ!~実践編~

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春へのワクワクがとまらない!
春咲き球根をコンビネーションで楽しむ!
~実践編~

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平工詠子(ガーデンデザイナー/ガーデナー)

 

 前回のお話しではオランダ人のガーデンデザイナー、ジャクリーン ファン デル クルートさんの魔法のような球根使いをご紹介しました。ここからは、ジャクリーンさんから影響を受け、日本人の感覚として私がデザイン・実践してきた球根コンビネーションについてお話いたします。こちらを読んで、来春に向けてワクワクするような球根コンビネーションをつくりましょう!

 

まずは、球根コンビネーションの三つの特徴についてご紹介しましょう。一つ目は、異なる種類の球根を選ぶので、組み合わせの可能性が無限にあるということ。二つ目は、色・形・大きさなどが多様な開花の組み合わせが日々移り変わっていくので、花壇全体の景色も移り変わっていくということ。三つ目は、開花の早いものから遅いものまでを上手く組み合わせることで、景色の移り変わりを想像以上に長期間楽しめることです。それでは、横浜の山下公園で実践した事例を見てみましょう。

 

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何も植わっていない花壇では、球根だけで組み合わせる豪華な球根コンビネーション花壇をつくることができます。写真は3月中旬の様です。クロッカス‘フラワーレコード’、‘ピックウィック’の2色のグラデーションで球根花壇の彩りがはじまります。

 

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3月下旬の様子です。ヒヤシンス・八重の早咲きチューリップなどが咲きはじめて、明るい華やぎが出てきました。

 

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4月上旬です。クロッカスは花が終わり、スイセンとチューリップの中咲き品種の開花が始まります。ここで特徴的なのは、ヒヤシンス、チューリップ、スイセンのそれぞれ異なる花形が混ざり合っているということです。

 

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4月上~中旬です。アプリコット色のチューリップが咲きだすと、花壇の色合いが変ります。開花を終えたヒヤシンスの花がらを切り取ることで、花壇をフレッシュな見栄えに保つことができます。

 

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その後も遅咲きのチューリップが少しずつ咲き、早咲き品種と開花が交代。彩りの組み合わせを変えながら、4月末まで花を楽しむことができました。このような球根のみでドラマチックな変化を見せる花壇は、1m×1mの小さな場所でもつくることができます。

 

 

宿根草のガーデンでの実践

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こちらは横浜山下公園の宿根草花壇の4月の様子です。5月、6月と花壇を彩る植物たちは、この時期さまざまな緑色・形・質感の葉を楽しませてくれます。そして、そこにチューリップをはじめ、早春から開花する球根を入れておくと、春の華やぎを一層早く演出することができます。シンプルな色遣いで種類を抑えることで、宿根草の葉と球根の花がお互いに引き立てあってくれます。写真のチューリップは原種系のバタリニー‘ブロンズチャーム’。植えっぱなしでも比較的何年か咲いてくれるので、このようなナチュラルなガーデンにおすすめの品種の一つです。

 

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異なる色合いのチューリップを組み合わせるとしても、2色ぐらいが宿根草とバランスよくまとまります。この赤いチューリップは早咲き・中咲き・遅咲きの3品種。順繰りと開花が移り変わるので、4月終盤になっても赤い華やぎが途切れませんでした。少ない球数でも花壇のあちらこちらにバラまいて植えつけることで、広い範囲で華やかでナチュラルな雰囲づくりができます。

 

雑草地での活用法

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「雑草地」と人に嫌がられそうな場所も、早春はふんわりかわいらしい緑の雑草下地ができます。秋に球根を植えつけておけば、春、思いがけない楽し気な場所に変身します。雑草下地を生かしているので、球根の数もそれほど必要ありません。このようなおもしろい球根の利用法はいかがでしょうか。

 

チューリップの品種の選び方。どうやって選ぶの?

まずは開花時期に大きく関係するチューリップの系統について知りましょう。チューリップは開花時期・花の大きさ・形などによって分類された系統があり、その系統によって開花時期の目安を知ることができます。球根育種・生産地として有名な富山県花卉球根農業協同組合のウェブサイトにある「チューリップの開花期と系統」を参考にするとわかりやすいです。

※開花期間や時期は地域やその年の環境によって前後します。暖地だとより早く開花が始まり、開花期間も冷涼な地域より短くなる傾向があります。また、品種により同じ系統でも開花時期が大きく異なるものもあるので目安として参考にされるとよいでしょう。

系統や開花時期がわかったら、チューリップを早咲き(早生)・中咲き(中生)・遅咲き(晩生)グループからそれぞれ、1~2種類を選んでみましょう。系統がわからなくても、園芸店などの売り場では開花時期の目安が記載されている商品も売られている場合があります。

色の組み合わせのポイントとしては、全てが同時に咲いていても花の色合い・形が合うものを選ぶこと。特に暖地では、早咲きがまだ咲いているうちに遅咲きが開花をすることも多いためです。下の三つの写真は2018年の春に色別のコンビネーションで彩っていた神奈川県立花と緑のふれあいセンター・花菜ガーデンの事例です。

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柔らかな黄色をベースにソフトカラーでまとめています。

 

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可愛らしいピンク色の濃淡で組み合わせました。スイセンがポップな雰囲気をプラスしています。

 

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大人っぽい紫色のグラデーション。ふんわりとした白い八重のスイセン、チューリップで明るさを出しているのに対して、青いムスカリが下層で引き締めています。

 

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小さな宿根草ガーデンでは、周囲の葉や茎の色合いとチューリップの花色を合わせることで、一層オシャレな雰囲気を演出できます。

 

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春になったら近くの公園でや身近な場所で、どんな品種が同時に咲いているか観察をしてみましょう。気に入った組み合わせは名前をメモしておくと、翌春の球根計画に役立ちます。

 

ほかの球根との組み合わせの例

チューリップの組み合わせができたら、チューリップ以外の球根も組み合わせてみましょう。

その他のおすすめ球根として以下を挙げます。

スイセンは、チューリップと同じ時期に開花をする小輪房咲・枝咲の品種などが主張しすぎずに馴染みやすいものです。おすすめ品種例:タリア、サーウィントンチャーチル、アクテア(口紅水仙)、ゼラニウムなど。他にもヒヤシンスやムスカリ、アネモネ、クロッカスなどを組み合わせると、開花を早くにスタートできたり、花壇の下層が豪華に見えたり、花壇全体の開花時期を長くすることができます。

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草丈の低い小球根を入れると……。

・チューリップの数が少なくても土が見えにくく、きれいに見える

・低い位置にも色があると、花壇に「立体感」が出る

 

 

 

球根をどうやって植えるの?

球根のみのコンビネーションの場合

①何も植わっていない場所では、土壌が硬ければ必要に応じて腐葉土などを鋤き込みなが20-30㎝ほど耕し、平らに整地をする。

②すでに宿根草などが植わっている場所では、土壌が硬い場合はあらかじめ球根を植えられる場所をガーデンフォークなどで軽く耕しておくと、球根が植えやすくなる

③用意した球根を大きなバケツ等の容器の中で混ぜる。チューリップやスイセンのように大きめの球根と、ムスカリやクロッカスのように小さめの球根は分けて混ぜる。

④混ぜた球根を両手ですくい、大きい球根から目標の範囲にばらまく。この時になるべく  遠くへ腕を広げるようにまくと花壇全体に広がった配置になる。

⑤球根が落ちた場所に移植ごてなどで球根を植えつける。球根同士の間隔はランダムでよい。

⑥球根を植えつけた箇所全体に水が行きわたるようにたっぷりと水やりする。

あとは、春を楽しみに待ちましょう♪

花後はどうしたらいいの?

日当たりや水はけがよい場所で、願わくば来年も少しでも開花してほしい……、という場合。

花弁が夜に閉じなくなったら花の首元で折り取る。茎は光合成のために残しておく。その後、葉が黄色~茶色になるまで切り戻さない。宿根草の中に植えている場合は、茶色くなった葉が周囲の宿根草の葉に隠れてくる。「見える」けど、「見えてこない」状況になる。梅雨に入る前に根元から切り戻すとよい。

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2年目以降

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前年と同系色の花が咲く球根を足すと前年までの球根の花がある程度咲いても綺麗な色合いを保てます。ただし、チューリップが翌年また花が咲くかどうかは、品種の特性や球根の状態、土壌環境やその年の周囲の環境など、さまざまな条件により異なります。

その他の楽しみ方

さらに早い春を楽しみたいときは、ミニアイリス‘ハーモニー’などはいかがでしょう。3月初めに開花しで、花壇の楽しさをぐっと前倒ししてくれます!

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チューリップの組み合わせを変えるだけで、翌年は異なる景色になります。下記の写真は東京農業大学グリーンアカデミー 圃場花壇。下は同花壇の1年後の様子。

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早春まだ茶色い日本芝の中でも春の球根は可愛らしく咲いてくれます。道を描くようにばらまいてみてはいかがでしょう。

 

いかがでしたか。春咲き球根を生かした花壇づくり、もっともっとみなさんに楽しんでもらえるとうれしいですね。球根は手間もかからず、きれいで彩り豊かな花を咲かせてくれます。そして、まだまだ暖地では植えられます。みなさんも来春に向けて、わくわくの球根コンビネーションの花壇をつくってみませんか?

 

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先日、横浜の山下公園で市民の方々と球根ミックス花壇づくりを行いました。2019年春、どんな様子を見せていくれるか、開花を楽しみに待ちたいと思います。

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平工詠子 GARDENER -詠- 代表

ガーデンデザイナー/ガーデナ-。東京農業大学グリーンアカデミー非常勤講師。東京農業大学農学部を卒業後、横浜の企業にてガーデンデザイン・施工・管理の業務に従事。2007年~2011年イギリスへ。現地のガーデン会社でガーデナーとして勤務し、さまざまな邸宅ガーデンで経験を積む。2011年独立。翌年のオランダ国際園芸博覧会(フロリア―ド2012)への派遣をきっかけに、イギリスやオランダで得てきたエッセンスを生かしたデザイン・メンテナンスで、ガーデンの監修・普及などの活動を行う。2017年の全国都市緑化よこはまフェアでは、ジャクリーンガーデンのコーディネーター、山下公園での市民連携花壇(9万球の球根ミックス花壇及び多年草花壇)のデザイン・講師を務めた。

 

 


チューリップの開花期と系統のページはコチラ(http://www.tba.or.jp/manual/2010/03/keitou.html)

 

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