昆布

2024.02.28

旬:7月~9月
主産地: 北海道、青森県、岩手県

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昆布とは

昆布の語源は諸説ありますが、アイヌ語の「Kombu(コムブ)」から転じたという説や、昆布の古名をヒロメ(広布、広芽、比呂米)といいます。これは海藻の中では幅が広く、長く生長する所からこの名がつきましたが、「広布(ひろめ)」の音読「コウフ」が「コンブ」となったという説もあります。日本の昆布の約90%は北海道全域で、その他は 東北(青森県、岩手県、宮城県)の三陸海岸沿いで採れ、場所により採れる昆布の種類が違います。利尻昆布は、利尻・礼文・稚内沿岸で採れ、真昆布に比べてやや固めです。透明で風味の良いダシがとれ、会席料理などに使われます。京都といえば利尻昆布です。日高昆布は、三石昆布(みついしこんぶ)とも言われ、日高沿岸で採れます。柔らかく煮えやすいので佃煮昆布、昆布巻などに利用されます。長昆布(ながこんぶ)は、釧路・根室地方沿岸で採れ、特徴6~15mと長く、生産量が最も多い昆布です。

天然昆布と養殖昆布の違い

昆布には天然昆布と養殖昆布があります。天然昆布は「天然」と記載されていますが、養殖昆布は「養殖」として表記されていることはまずありません。したがって、天然以外は養殖なのです。「養殖もの」というとマイナスイメージがあるかも知れませんが、必ずしもそうとは言えません。そもそも天然昆布は天候などに生産量が左右されるため、生産量の安定のために養殖昆布が始められました。養殖昆布は海中に漂う天然昆布の種を採取し、養殖昆布ロープに種苗を着生させ、再び自然の海に戻して成長させた昆布です。見た目は天然ものより立派で、昆布の繊維質自体は天然ものより柔らかく、あっさりとしているのが特徴です。昆布締め用の昆布などでは、幅広で使い易く、素材の風味を邪魔せず、粘りすぎないので養殖ものの方が扱いやすいこともあります。高価な天然昆布だけではなくリーズナブルに使えるメリットも大きいです。

北前船と昆布

昆布が日本中に広く行き渡ったのは、江戸時代に登場した北前船の発展です。北前船とは、蝦夷地(北海道)から北陸など日本海側の各地、下関、瀬戸内海を経由して大阪へ入港する船のことです。日本海を行き来した北前船は米・筵・醤油等を北海道に運び、帰り荷として、昆布・鰊の粕(魚肥)を本州にもたらしました。物流、経済を支える海上交通の大動脈として、鉄道が登場するまで大いに栄えました。富山の薬売りは、当時、薩摩と交流していたため、昆布を富山から薩摩に持ち込むようになりました。昆布は薩摩から琉球へと渡り、さらに中国に輸出され、見返りとして中国から輸入した漢方薬を手に入れるようになりました。富山、大阪、沖縄など、昆布を使った郷土料理が根づいているのは、まさに北前船のおかげと言えます。関東より関西方面で昆布が好まれるのも、こうした理由があったからと言われています。

昆布のおいしい食べ方

表面についている白い粉は旨味成分

料理をする際には固く絞ったフキンで昆布の表面の汚れを拭き取ります。表面についている白い粉は旨味成分ですので、洗ったりしないようにしてください。一度、拭いたコンブは日持ちしませんので、使う分だけ拭くようにしましょう。

ダシをとる場合、水の2%の分量の昆布をそのまま水に浸し、30分~3時間程度おくと旨味が出ます。その後鍋を加熱し、昆布が脹らんで浮き始めたら取り出して漉します。種類によっては沸騰させても大丈夫な昆布もありますが、一般的には沸騰させてしまうと昆布にぬめりが出て、ダシ汁が濁ったり、コンブの匂いが強くなりすぎますので沸騰する前に昆布は取り出します。

真昆布(まこんぶ)は主に函館沿岸で採れ、厚みがあり幅が広いのが特徴です。上品な甘みがあり、濁りのない清澄なダシが取れます。だし昆布以外にも、佃煮やおぼろ昆布などに利用されます。「白口浜」「黒口浜」などの銘柄があり、真昆布のほとんどは大阪で消費されます。

羅臼昆布(らうすこんぶ)は、羅臼沿岸で採れ、羅臼オニコンブの別称があります。ダシ汁がにごるという特徴がありますが、コクがあり甘味と香りのある濃厚な出汁が取れますので、煮物や鍋物などのダシに適しています。北陸地方、富山県は一大消費地です。

水揚げされた昆布は採ったその日のうちに玉砂利を敷いた浜辺(乾場)で一枚一枚天日乾燥させることで、いっそう美味しくなります。天日乾燥された昆布は適当な水分を含み、それが時間をかけて熟成するので美味しくなります。

昆布にはそれぞれ特徴があるので、料理に応じて昆布を使い分けてみましょう。真昆布は上品な香りと旨みのダシ、羅臼は風味も旨みも強いダシ、利尻はほのかな香りだが旨みが強いダシ、日高はちょっと物足りない風味のダシです。

昆布の豆知識

昆布に大事なのは日照時間

海苔に表裏があるように、昆布にも表裏があります。なかなか分かりにくいですが、横から昆布の断面を見ると、昆布が波をうっています。山があるのが表で、谷になっているのが裏側です。昆布をよく見ると、真ん中に筋のようなものが一本通っています。木の葉にたとえれば、葉脈みたいな部分です。その筋がへこんでいる方が「表」、浮き出ている方が「裏」になります。木の葉でも、葉脈は裏側に浮き出ていますので、同じ原理です。海中では通常、へこんでいる方(表)が上を向いています。昆布を天日干しにする際も、昆布の表を上にして乾燥させます。

昆布には天日干しや、海の中での生長に太陽が欠かせません。つまり日照時間です。良い昆布として成長するには、昆布の生長期間である3月から4月の日照時間が重要になってきます。昆布の表面がうっすら白くなっている昆布がありますよね。これは昆布に含まれている旨味成分の「マンニット」です。マンニットは、昆布が生長する際に日光を浴びて光合成をすることで発生する成分です。昆布の表面が白くなっている程、マンニットが多く作られている証拠で、まろやかな味わいの昆布です。

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