石川県 ご当地野菜・果物

2023.02.09

中島菜

つけ菜の一種である「中島菜」は、石川県七尾市中島町や鹿島郡中能登町で明治時代から栽培され、シャキシャキした食感と、少しの苦味、ほのかな辛みがあります。春先に伸びたトウをお浸しや漬け物として食べられてきました。特筆すべき特徴は“塩漬けしても花を咲かせると言われる生命力”です。血圧の上昇抑制効果が発見され、味だけでなく栄養面でも注目度が上がってきました。

能登小菊かぼちゃ

「能登小菊かぼちゃ」は日本かぼちゃの一種で、直径15cmほどの小型で、真上から見ると表面の溝が菊のように見えることから、“小菊” かぼちゃと呼ばれています。つるをパイプに巻き付け高い位置に実がなるようにするので色づきが美しいのが特徴です。西洋かぼちゃに比べ肉質は粘質で煮崩れしにくく、上品であっさりとした味で、出汁を上手に効かせる和食によく使用されるので、地元の石川県だけでなく、関西方面にも出荷されます。

金糸瓜

ペポかぼちゃの一種です。輪切りにして茹でると果肉がほぐれて、金の糸状になるので「金糸瓜」と名が付きました。「そうめんかぼちゃ」とも呼ばれます。ほぐれた糸状の繊維はシャキシャキとした食感があります。中能登地域ではお祭りや仏事、神事によく食べます。上から見ると六角形の形をしていますが、角がはっきりしているものは、中の繊維もしっかりしているので歯ごたえを楽しむことが出来、おすすめです。

かもうり

「かもうり」は冬瓜(とうがん)の別名で、七尾市で生産される冬瓜です。自家用野菜として30年以上前から中能登地域の食文化として定着し栽培されてきました。長さは30~50cm、重さが約7kg程度にもなります。淡白な味わいで出汁を効かせた料理に向いています。夏に収穫しますが、冬まで貯蔵がきくことから「冬瓜」という字があてられました。

高松紋平柿(もんべいがき)

大玉で色つやがよい紋平(もんべい)柿は、石川県の限られた地域でしか栽培されていない渋柿の一種です。かほく市(旧高松町)に、家号が「紋平さ」と呼ばれる家にあった、樹齢100年を超える柿の木から収穫した柿を加賀藩の前田家に献上したところ大変喜ばれ、献上した農家の屋号にちなみ「紋平柿」と呼ばれるようになったと言われています。商品流通が極めて少ないので“幻の柿”と呼ばれています。

加賀丸いも

「加賀丸いも」は、石川県の能美市、小松市で栽培される黒皮種の大和芋で、すりおろすとビックリするほどの粘りがあり、甘みもあります。モッチリとした粘りが強いので、すりおろした器を反対にひっくり返しても落ちません。日本料理をはじめ、高級和菓子などに利用されています。農林水産省の「日本地理的表示(GI)保護制度」に登録されました。

金沢青かぶ

かぶら寿司  画像提供:金沢市 

かぶら寿司  画像提供:農水省 

百万石青首かぶ

「金沢青かぶ」は、肉質がややかためな加賀地方の在来種です。地上部分が青いので“青かぶ”の名が付きました。加賀地方の郷土料理「かぶら寿司」の原料として使われるかぶとして知られています。かぶら寿司は、厚めに切って塩漬けにした金沢青かぶの間にブリを挟み込み、人参の千切りなどと一緒に糀で漬け込んだ「なれずし」です。

能登大納言小豆

“こしあんにするとバチが当たる”とも言われるほど、全国にある大納言小豆の中でもひときわ大きな粒(一般的な小豆の約2~3倍の重さ)です。「大納言は殿中で抜刀しても切腹せずにすむ」という朝廷の大納言にあやかって、煮ても腹の割れない小豆を“大納言”と命名しました。全国の酒蔵で活躍していた奥能登の杜氏(とうじ)持ち帰った大納言小豆と、能登の在来種が交配し、能登大納言小豆が生まれたと言われています。

能登志賀ころ柿 (のとしかころがき)

「能登志賀ころ柿」は、「最勝柿」という芯が小さく甘味が強くなる渋柿から作られた干し柿です。細かな温度管理によるゆっくりとした乾燥を行うことで、果肉が緻密で軟らかく、とろけるような舌触りで、色あがりも飴色に近くなるので「食べる芸術品」ともいわれます。「ころ柿」とは、農家の軒先に柿を吊るし、皮をむいた柿に陽が良く当たるように柿の向きをころころと変えたことから“ころ柿”と呼ばれるようになりました。

大浜大豆

禄剛崎灯台(ろっこうさきとうだい)

「大浜大豆」は、珠洲の広い砂浜「大浜」周辺で栽培されていたことが名前の由来とされる在来種です。一般的な大豆と比較してやや粒が大きく、中央部の裂けた「へそ」が大きく黒いのが特徴です。舌触りが良く、甘みとコクがある大豆です。能登半島の先端、珠洲の観光名所、禄剛崎灯台(ろっこうさきとうだい)のある道の駅「狼煙」には、大浜大豆と珠洲市の揚げ浜式製塩法でできた「にがり」を使った地豆腐を販売しています。

神子原くわい (みこはらくわい)

羽咋市神子原(みこはら)地区周辺の棚田で育てた「神子原くわい」はもっちりした食感で人気です。クワイの芽の出る姿が「めでたい」と、縁起物としておせち料理の食材によく使われますが、煮物や揚げ物、くわいご飯などにしても美味しいです。

能登赤土ばれいしょ

能登特有のきめ細やかな粘土土壌の「赤土」で育ったジャガイモ。品種は「男爵」です。肉質はち密で、デンプン質が多く、ホクホクのおいしいジャガイモです。粉ふきいも、コロッケ、ジャガバターなどに合います。

りんご(秋星)

秋星(しゅうせい)は、石川県のオリジナル品種の大玉りんごです。金沢三文豪の一人、德田秋声にちなみ秋星と名づけられました。果肉はかためで、サクッと心地よい歯ざわりです。 酸味と甘みのバランスが良く、さっぱりとしていて美味しいりんごです。

小松とまと

小松市はトマト、ニンジンの生産が盛んで、北陸最大の産地となっています。トマトの受粉にマルハナバチを利用したり、お米のもみ殻を利用した「もみ殻養液栽培」などに特徴があります。2022年5月に小松市の「サイエンスヒルズこまつ」にてトークイベントを行った際に「小松とまと」の魅力をお話しさせて頂きました。

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