タケノコを選ぶ

太く、ずっしりと重いものを選ぼう

全体がずんぐりとして、皮が薄茶色で、ツヤがあるものを選びましょう。細いものより太いものの方が柔らかくて美味しいです。また、太いものは成長がはやいので、柔らかくてアクが少ないです。タケノコは 90%が水分です。軽いものは水分がなくなって、鮮度が落ちています。持ったときに手にずしりと重みを感じるタケノコにしましょう。根っこがみずみずしく、付いている土がまだ湿っているようなものが新鮮な証拠です。

穂先が黄色っぽいもの

穂先が濃い緑色や黒っぽいものは日に当たっているので、えぐみが強い可能性あります。え ぐみは時間が経つにつれて強くなるので、切り口が白く、みずみずしいものがおすすめです。新鮮なタケノコは穂先が黄色で閉じています。タケノコは掘るものです。つまり、タケノコ 全体が土の中に埋まっているので、穂先が黄色で閉じているものが良いのです。タケノコが 土の上に出すぎて日に当たりすぎていると皮が黒くなっています。

切り口が白く、根元のぶつぶつが小さくて少ないもの

タケノコは時間が経つと切り口が変色してきます (掘ってから2日ほどすると自然に切り口が緑色になってしまう) ので、切り口が白いものほど新鮮な証拠です。根元のぶつぶつ

(赤い斑点)が小さくて少ないものほど肉質がやわらかくなります。変色していない切り口がきれいなものを探しますが、もしかしたら、切り口を切り落として新しく見せているものもあるかもしれません。その場合はぶつぶつがある根元の部分が短くなっていることが考えられますので、そこで判断しましょう。

タケノコの保存

鮮度が落ちるとえぐみが強くなるので、そのままの状態では保存できません。購入後は早めにゆでましょう。茹でる時には、米ぬかをいっしょに入れると、えぐみがぬけます。茹で汁に付けたまま冷まし、皮を剥き、密閉容器に入れて、水に浸けて冷蔵庫で保存します。茹でタケノコからもアクが出てくるため、水は毎日交換しましょう。そして 1 週間以内を目安に食べきりましょう。タケノコは掘りたて半日以内なら 米ぬかや米のとぎ汁などは不要、水のみで茹でても大丈夫ですよ。

タケノコの実の部分を切り落とさないように、穂先1/5位を斜めに切り落とします。

切り取った部分から縦に切れ目を入れ、タケノコの実まで切らないよう切れ込みを入れます。(※アクを抜きやすくするため)

大きな鍋にたっぷりと水を入れ、水に対して 1 割程度の米ぬかもしくは米のとぎ汁を入れます。火加減は中火くらいで鍋肌がグツグツ沸いている状態を保つようにします。

根元に竹グシが刺さる程度に柔らかくなると、火を止め、ゆで汁の中で冷まします。冷めるのに半日程度かかります。

タケノコの豆知識

切り方

繊維質のたけのこは根元になるほど硬くなるので、先端は大きめに、根元は薄く切り、細かく切って食べやすくするのがコツです。一般に、煮物には横にやや厚めに切り、炒め物には縦に細切りすると、歯触り良く仕上がります。また、タケノコには真ん中に隙間のある部分があります。縦に刻む時にはポロポロにならないようにするため、まず半分に切ってこの隙間部分を切り取り、そのあと、薄くスライスして千切りにします。

どうして成長が早いのか?

タケノコは節と節の間が伸びます。各節の上に成長点があるので、それぞれの節が伸びます。従って成長が早いのです。1 日に 1 メートルも伸びる場合があります。筍とは竹の下に旬と書き、旬とは 10 日のことですから、10 日で竹になってしまうと言う意味だそうです。

筍は掘られてからも自分の力でどんどん成長しようとしていますので時間との勝負な のです。

神奈川県内でタケノコ堀りを体験

京都市西京区大枝塚原にて夜明け前のたけのこ堀りを見学。

夜明け前に掘る「朝掘りたけのこ」は、一段と美味しいですよ。

部位によって味や食感が異なるので、料理によって使う部分を使い分けましょう。

タケノコの代表的なご当地料理、京都編:若竹煮

若竹煮ってどんな料理?

色白で美しい、やわらかな肉質の京タケノコを楽しむ春の一品

春に旬を迎える「タケノコ」と「新ワカメ」を、出汁で煮る若竹煮は、季節感あふれる料理です。柔らかいタケノコの食感と、ほど良い歯ごたえが楽しめるワカメが初春に採れる食材の出会いの一品料理として、春の訪れを感じさせます。

若竹煮に必要な材料は?(4 人分)

・タケノコ            2 本分 500~600g

・わかめ 生又は塩蔵   60~80g

・出汁                3 カップ

・酒                  1/4 カップ

・みりん              大さじ 1

・うす口しょうゆ      大さじ 1

・昆布                10g

・かつお節 (削り節) 20g (かつお節を包むガーゼ)

・木の芽      適宜

若竹煮の作り方

① タケノコは根元の周囲を包丁できれいに整える。繊維が細ければ半分に切って四つ割りに、繊維が太ければ、半月に切る。

② ワカメはかたいスジの部分を取り除き、食べやすい長さに切ってサッと熱湯に通す。

③ かつお節はガーゼで包み、しっかりと口を縛っておく。

④ 鍋に出汁、酒、昆布、タケノコを入れて火にかけ、10分ほど煮立てたら、みりん、うす口しょうゆを入れ、ガーゼで包んだかつお節を加え、(追いがつお)、弱火にして少し煮てから火を止め、そのままおいて味を含ませる。

⑤ 昆布と追いがつおを取り出し、ワカメを加えて温かくなったら、器にタケノコとワカメを盛って煮汁をはり、木の芽(山椒の若葉)を添える。

※ワカメは煮すぎると溶けてしまうことがある。

若竹煮のワカメに旬があるの?

「若竹煮」はタケノコだけでなく、ワカメも春が旬

古代より食されてきたワカメ。ワカメは日本の広い範囲に分布している一年生の海藻です。天然のワカメは秋に岩にとりついて芽吹き、冬が成長期で、2月から5月にかけて生の新ワカメが出回ります。深さ数メートルの海の底でどんどん成長して、ひと冬で1メートル、2メートルまで   伸びていきます。どんどん伸びていくあたりはタケノコと似ていますね。現在ではほとんどが養殖ものだそうですが、養殖物に比べ天然物は柔らかく肉厚で弾力があり、風味豊かです。さらに食物繊維やミネラルといった栄養が豊富で、シャキシャキとした食感が特徴です。旬の時期、天然物が売っていたならば、天然のワカメを選ぶようにしてみましょう。

京タケノコの発展した理由は?

京都市内は鴨川や桂川があり、豊富な地下水の良質な水と肥沃な土、盆地特有の底冷えの冬と夏の猛暑という気候です。京タケノコに限らず、このような土地で作る野菜はビタミンやミネラルなどの栄養価が高いという点が大きな特徴です。タケノコは明治維新以前の京都では、天皇や公家のための高級食材として手間ひまかけた栽培法が発展し、その味は今もなお高く評価されています。京タケノコは曹洞宗・永平寺を開いた道元禅師が、宋から帰国するときに持ち帰り、長岡京市の寂照院に植えた、また、同じく寂照院の院主の知人である宇治黄檗山主から持ち帰ったものを移し植えたとも伝えられています。が、その当時食料として利用したかどうか不明で、その後江戸時代に西山一帯に定着して栽培の対象となったという説が正しいと考えられています。長岡京市の寂照院には孟宗竹を中国から日本に初めて持ち帰ったと伝える「日本孟宗竹発祥の地」の石碑が建っています。

若竹煮の栄養価・効能は?

タケノコとワカメは、ともに食物繊維とカリウムを豊富に含んでいます。タケノコの食物繊維は不溶性で腸の働きを活発にし、ワカメの食物繊維は水溶性で血中コレステロールを下げる働きに優れています。どちらの繊維も便秘やコレステロールの排出に効果が有り、双方を取ることで整腸作用が高まり、便秘予防に有効に働きます。タケノコの切り口に見かける白い粉の様なものは、チロシンというアミノ酸の一種です。茹でた時に溶け出したものが、冷えて固まったものなので食べても害はありません。チロシンは代謝をアップさせて細胞の老化を抑えるほか、神経伝達物質のドーパミンやノルアドレナリンなどの原料となり、脳を活性化させる成分です。ワカメに含まれるヨードとタケノコに含まれるチロシンとの合成によって生成されるチロキシンは甲状腺ホルモンの一つで、欠かせません。若竹煮のタケノコとワカメの組み合わせはとても理にかなった料理といえます。

POINT 01

みなとの注目ポイント

朝掘りタケノコの訳
若竹煮は旬のタケノコと新ワカメを炊きあわせて、出てきたばかりの山椒の若芽を添えた「春の出会いもの」です。この出会いものの素材であるタケノコは僕たちが思っている以上に育てるのに大変な苦労があります。タケノコは自然にできるものではなく、作るものなのです。タケノコは「朝掘り」というイメージが定着しています。朝に掘ったタケノコを出来るだけ光を当てずにすぐに調理して食べる。タケノコは時間が経つと堅くなるだけでなく、エグミが出てくるので、とにかくすぐ茹でるというのがセオリーです。タケノコは光に敏感に反応し、光を感じると堅くなり、エグミが強くなりますので、農家の方々は、夜明けの頃からタケノコを掘り、掘ったタケノコをカゴに入れるときにも上から遮光性の布などを掛けています。また竹林は夜から早朝に多くの水分を含むので、タケノコも朝掘る方がみずみずしいタケノコが収穫できるのです。タケノコのエグミの成分はホモゲンチジン酸とシュウ酸です。シュウ酸は時間が経つにつれ 2 倍、3 倍と増えるので、できるだけ早く茹でるのです。また、タケノコを茹でる時には米ぬかを入れますが、これは米ぬかがとけた茹で汁にシュウ酸が溶け出すのと、米ぬかの酵素の働きでタケノコが柔らかくなるからです

京タケノコの収穫方法は?

タケノコを夜明け前のまだ暗いうちから掘ります。タケノコは、空気にふれ光にあたると硬くなるといわれています。 このため京都の良質タケノコは地下にあるうちに「ほり」と呼ばれる京都独特の農機具を使って掘取られます。紫外線があたった竹の子は皮が黒くなり、頭が緑色になりますので、それらは缶詰や水煮用になります。また、雨が降らないと堀りにくいようです。僕が塚原の竹林にお伺いした 2018 年 4 月 8 日は前日、前々日に雨が降っていたので掘りやすかったようです。タケノコは前日にどの場所を掘るのか印を付けます。ある農家さんは割りばしを土に立てて印を付けていました。目印のところをタケノコが傷付かないよう周囲の土を掘っていきます。良いタケノコは、色が白く、粘土質の白土で育ちます。土にも白土と赤土があります。掘り出すとタケノコの表面も白く、最高級のものは白子(しらこ)といわれます。タケノコの下の方にあるイボも白です。イボの色は白→ピンク→赤→エンジ色の順で古くなっていきます。白子は土から顔を出す前に掘り出すのが絶対条件です。日光に長時間当たると酸化して味が落ちてしまうため、明け方から早朝にかけてのわずかな時間で収穫が行われます。

京タケノコの魅力

全国でタケノコは生産されています。京都産のタケノコは収穫量が多いわけではないですが、とても有名です。同じ京都でもいろいろな産地があります。塚原、大野原、大江地区で収穫されるタケノコは特に値段が高くブランド化されています。土壌が粘土質で酸性であることだけでなく、一年を通じて手間暇かけて土作りをします。粘土質の土は空気が入りにくく、水分を保ってくれるのでタケノコに最適な土壌です。春、収穫を終えると休むことなく翌年に向けての肥料を施します。夏には除草。 秋には追肥。「敷き藁」「藁敷き」と呼ばれる作業では、干わらを敷き詰め、冬には山から掘った土を運び、敷わらの上に敷き詰めます。大枝塚原地区では河川敷に生えている若い茅(かや)を使う竹林もあります。一般的に使われる稲藁よりも軽く空気を含みやすい茅を使うことで、土がより柔らかくなり、タケノコに必要な養分が浸透しやすくなる利点があるからです。そして、茅のその上に肥料を施します。「京都式軟化栽培法」と呼ばれるタケノコの育て方です。また親竹も必要以上に伸びないように「しん止め」もします。こうして 1 年間かけてできた土はやわらかくなり、土の中から白く、やわらかいタケノコが出てきます。同じ京都産のタケノコでも、手入れが行き届いた土地で、どんな土から収穫されたタケノコかを知っていると美味しいタケノコに巡り会う可能性は高いですよ。

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